Rabのパワーストレッチは、「コンタクト」シリーズを筆頭に、登山好きのあいだで定番になりつつある中間着です。薄くてよく伸びるのに、行動中はしっかり保温してくれるので、つい山行ごとに手が伸びてしまう人も多いはず。ただ、その着心地の良さゆえに出番が増え、気がつくと生地がヘタっていたり、肘や肩まわりがテカテカになっていたり…という声もよく耳にします。
この記事では、実際の登山で使い倒してきたうえでのリアルなレビューとあわせて、長く快適に着続けるためのお手入れ・洗濯のコツをまとめました。Rab パワーストレッチのコンタクトシリーズが気になっている方も、すでに愛用中の方も、買い替えのタイミングを少しでも先送りしたいと思うなら、日々のケアの見直しから始めてみませんか。
長持ちさせるためのお手入れ・洗濯のコツ
薄手でストレッチ性の高い素材は、扱い方によって寿命が大きく変わります。Rabのパワーストレッチ系も例外ではなく、「よく伸びる=繊維に負担がかかりやすい」一面があるため、次のポイントを意識すると長持ちしやすくなります。
洗濯の基本ルール
ネット使用+弱水流でやさしく洗う
- 洗濯機を使う場合は、ドライコースや手洗いコースなどの弱水流を選びます。
- 単独、もしくは類似した素材の衣類と一緒に洗うようにしましょう。
- 強い遠心脱水は避け、短時間で切り上げると生地へのダメージを抑えられます。
洗剤と柔軟剤の使い方
- 中性洗剤を少なめに使用するのがおすすめです。
- 柔軟剤はできるだけ避けましょう。起毛が寝てしまい、吸汗性や速乾性が落ちる原因になりやすいです。
乾燥と保管のコツ
高温はNG、陰干しが基本
- 乾燥機は基本的に使用しないでください。ストレッチ繊維(ポリウレタンなど)の劣化が一気に早まります。
- 直射日光も避け、風通しの良い日陰で吊り干しまたは平干しにすると安心です。
使用後はこまめに乾かす
- 濡れたままザックの底や車内に放置すると、においや繊維の劣化が進みやすくなります。
- 冬場でも、一度しっかり乾かしてから収納する習慣をつけると、型崩れやにおい対策にも効果的です。
泥・砂汚れの対処
岩場・ロープワークで酷使した日のケア
- 岩場やロープワークでたくさん使った日は、泥や砂を軽く流してから洗濯しましょう。
- 砂粒がついたまま洗濯機に入れると、他の衣類や生地そのものを削ってしまい、毛羽立ちの原因になります。
長持ちさせる使い分けのポイント
パワーストレッチ系は特に「洗濯と熱」に弱い傾向があります。ネット洗いと陰干しを守るだけでも、ヘタリや伸び切りが出るまでの期間はかなり変わります。
また、岩場やロープを多用する山行用と、里山ハイクや街着用をなるべく分けて使うことで、結果的にトータルのコスパを良くすることができます。用途に合わせて使い分けながら、ていねいにケアしてあげると長く快適に着られます。
Rabのパワーストレッチは、薄さと伸びのよさ、行動中の保温力のバランスが気持ちいいぶん、繊維への負担も蓄積しやすいアイテムです。だからこそ、ネット使用+弱水流でやさしく洗う、洗剤は中性を少なめに、柔軟剤は避けるといったシンプルな工夫が効いてきます。
乾燥機や直射日光を避けて陰干しすること、濡れたまま放置せず、その日のうちにしっかり乾かしてから収納することも、型崩れやにおい予防にひと役買ってくれます。砂や泥がついた日は軽く流してから洗うだけでも、生地の毛羽立ちに差が出ます。
岩場メインのハードな山行用と、里山や街用で使い分けながら、ちょっとしたひと手間を積み重ねていくと、Rabの着心地を長く味わえるはずです。