サロモン TRAILBLAZER 20 は「山も街も走りも」こなせる軽量デイパック
「日帰り登山用に軽いザックがほしいけれど、通勤ランや街歩きにも気軽に使いたい」──そんな欲張りなニーズにハマるのが、サロモンのTRAILBLAZER 20です。容量20L・約410gというクラス最軽量級ながら、日帰り登山で必要な装備を無理なく収められる懐の深さを持ち、山でも街でも違和感なく背負えるシンプルなデザインが魅力のバックパックです。
この記事では、「サロモン TRAILBLAZER 20 登山 レビュー」として、スペックや背負い心地といった基本情報から、実際の日帰り登山・スピードハイク・通勤ランでのリアルな使い勝手まで、細かいポイントを掘り下げていきます。「本格的な登山ザックほどゴツくなくていいけれど、安物リュックでは心もとない」という方が、購入前にイメージしやすいよう、メリットだけでなく「向かない使い方」も率直に触れていきます。
サロモン TRAILBLAZER 20 のスペック概要
基本スペックと位置づけ
サロモン「TRAILBLAZER 20」は、容量約20L・重量約410gクラスの超軽量デイパックです。サイズはおおよそ48×24×18cmほどで、標準的な「日帰り登山サイズ」の中でもかなり軽い部類に入ります。
同容量帯の一般的なトレッキングパックが800〜1000g前後であることを考えると、「半分以下の重量で日帰り山行に必要な機能をおおむね備えたモデル」といえます。
素材はナイロン/ポリエステル系で、軽さとある程度の強度・撥水性を両立させた作りです。完全防水ではなく、「小雨〜にわか雨程度ならある程度防ぐが、本降りではレインカバーやスタッフサックが欲しい」というイメージで考えておくとよいです。
近年の軽量デイパックに多い、やや薄手ながら日常的なトレッキングには十分な強度を持つ生地感で、「岩稜帯や藪漕ぎを攻めるタフさ」よりも「軽量性と扱いやすさのバランス」を重視したチューニングになっています。
フレームレス構造とフィット感の特徴
構造上の大きな特徴は「フレームレス」である点です。内部に樹脂パネルなどのフレームはなく、背面はソフトなメッシュパネル+フォームパッドという構成です。
ショルダーハーネスに加え、チェストストラップとシンプルなウエストベルトが付属し、3点で体に密着させて揺れを抑える設計になっています。
背面はメッシュ構造で通気性が高く、汗ばむ季節でも背中のムレをある程度軽減してくれます。「がっちり立ち上がったフレームで荷重を受け止める」タイプではなく、「体に包み込むようにフィットさせて一体化させる」思想のバックパックです。
想定される主な用途
想定されているのは、ライト〜ミドルレンジのアクティビティです。
- 日帰り登山・ハイキング
- スピードハイク(軽装で速く動く山歩き)
- 通勤ラン・街ラン
- 旅行・タウンユース(サブバッグ的な使い方)
「登山専用ザック」というより、「山も街も走りも1つでこなしたいライト志向の人向けバックパック」という位置づけでイメージすると分かりやすいです。
サロモン自体がトレイルランニングやライトハイク系ギアに強いブランドであることもあり、このTRAILBLAZERシリーズは「UL(ウルトラライト)寄りのユーザー」「都会〜近郊の里山を行き来するユーザー」を強く意識した設計になっています。
結論:どんな人に「一番ちょうどいい」バックパックか
向いているユーザー像
TRAILBLAZER 20がもっともハマるのは、次のような方です。
- 荷物はそこまで多くない(日帰り登山〜スピードハイク程度)
- なるべく軽く・速く動きたい
- 通勤ランや街使いにも流用したい
- 価格は抑えつつ、「安かろう悪かろう」は避けたい
ウルトラライト寄りの志向を持ちつつ、「ガチなULザックほどシビアじゃなくていい」「普通に店頭で買えて、見た目も街で浮かないものがいい」という方には非常にちょうどいいモデルです。
いわば「本気ULと一般的な登山ザックの中間」を狙ったポジションで、多少ラフな扱いにも耐えつつ、重量や価格はしっかり抑えたいユーザーにマッチします。
向いていない用途
一方で、明確に向いていない使い方もあります。
- テント泊縦走・冬山など、10kgを超える重装備
- 2泊以上の山行(特に水・食料がかさむ行程)
- 岩場・藪漕ぎが多いハードなルートを繰り返し歩く
- 土砂降り・残雪期など、悪天候前提の本格登山
こうした用途では、フレーム入りで厚手生地のザックや、防水性を謳うモデルを選んだほうが安心です。
TRAILBLAZER 20はあくまで「日帰り〜ライトトレッキング」向けであり、耐荷重・耐久性・防水性のどれを取っても、ヘビーデューティな縦走ザックの代わりになるものではないことは理解しておいたほうがよいです。
なぜ「揺れない」のか?フィット感と安定性
3点支持ハーネスと背負い心地
TRAILBLAZER 20の安定性の源は、シンプルながらしっかりした3点支持のハーネスです。
- ショルダーハーネス:柔らかめのパッド+メッシュで、肩〜胸まわりに沿いやすい形状
- チェストストラップ:高さ調整ができ、胸の位置でしっかり締めることでショルダーの開きを抑える
- ウエストベルト:本格ザックのような厚いヒップベルトではないものの、幅広のナイロンテープが「上下の揺れ」を抑えるのに効果的
フレームがない代わりに「体への密着度」で揺れを抑える設計なので、ストラップ調整はかなり重要です。
ハイドレーションチューブをショルダーハーネスに沿わせて固定できる構造も、走行時のブラつきを減らし、一体感のあるフィット感に貢献しています。
揺れを抑えるパッキングのコツ
フレームレスでも安定させるには、「荷物の詰め方」もポイントになります。
- 背面側に「面」のあるもの(折りたたんだレインウェア、着替えなど)を入れ、簡易的な“背面フレーム”にする
- 重いもの(ペットボトル、行動食をまとめた袋など)はできるだけ背中寄り・上寄りに配置する
- 下部にはタオルやサブウェアなど軽いものを入れてクッションにする
こうした詰め方にすると、ザック全体の重心が背中側・上側に寄り、走ったときのブレがかなり減ります。
TRAILBLAZERシリーズのレビューでも、「正しくパッキングしてストラップを締めると、フレームがなくても意外なほど安定する」という声が多く見られます。
スピードハイク&通勤ラン時の揺れ具合
歩きと走りが入り混じるスピードハイクや通勤ランでは、ザックの安定性がよく分かります。
- 早歩き(平地・登り):ストラップを適切に締めていれば、揺れはほとんど気になりません。通常の登山ペースなら十分快適です。
- 緩いジョグ:チェストとウエストをやや強めに締めると、上下のバタつきはかなり抑えられます。フレーム入りのラン用ザックほどピタッとはいきませんが、通勤ラン〜街ランには十分なレベルです。
- 下り(走り気味):荷物量が多いと多少の揺れは出ます。特に中身がスカスカな状態だと「中身が動く揺れ」が出やすいので、下りを走るつもりなら、ウェアやタオルで隙間を埋めておくのがコツです。
ストラップ調整のポイントは次の3つです。
- ショルダー:肩にしっかり乗るギリギリまで前側を引き込む
- チェスト:息苦しくない範囲でしっかり締める(緩いと肩が開いて揺れが増えます)
- ウエスト:腰骨の少し上あたりで固定するイメージで、上下動を抑える
この3点を意識することで、「ラン用ザック寄りの安定感」にかなり近づけることができます。
特に通勤ランなどで日常的に使う場合、一度自分なりのベストポジションを見つけておくと、「背負う→2〜3カ所を決め打ちで締める→そのまま走り出す」というルーティンを作りやすく、自然と使用頻度も上がっていきます。
「軽い」の正体:410gクラスのメリットと限界
軽量デイパックとしての強み
410g前後という重量は、一般的な20L登山ザックと比べると明らかに軽量です。1kg前後あるモデルと比べれば、ザックだけで約600gの差が生まれます。
「たった数百グラム」と感じるかもしれませんが、長時間行動ではこの差が確実に効いてきます。
- 日帰りで6〜8時間歩く山行
- アップダウンの多いルートでのスピードハイク
- 通勤ランを週に何度も行うライフスタイル
こういった場面では、「背中の荷物が軽い=フォームを保ちやすい=疲れにくい」という好循環が生まれます。特に通勤ランやジム通いでは、背中の重量差が「今日はやめておこうかな…」という気持ちに意外と影響してきます。
TRAILBLAZER 20は構造もシンプルで、余計な金具や厚いパッドがありません。そのぶん荷物の出し入れもスムーズで、「サッと背負ってすぐ動き出せる」軽快さが魅力です。
トレイルランニング用のベスト型ザックほどストイックではないものの、「登山も街もこなせる形状のまま、UL寄りの軽さに寄せている」というのがこのモデルの強みで、軽快さと汎用性のバランスが取れています。
フレームレスゆえのデメリットと許容重量
軽さの裏側には、フレームレスならではの弱点もあります。
- 荷物が少なすぎるとき:中身がスカスカだとザックの形が崩れやすく、背中側にシワが寄ったり、走ると中身が暴れたりします。
- 荷物が多すぎるとき:フレームがないため、重い荷物を詰め込むと背面が丸く膨らみ、重心が背中から離れがちになります。その結果、肩への負担が増え、揺れも大きくなります。
快適に背負える重さの目安は次のとおりです。
| 荷物重量の目安 | 背負い心地の評価 |
|---|---|
| 〜4〜5kg | かなり快適な範囲。日帰り登山・通勤ランに最適。 |
| 6〜7kg | 日帰り登山なら許容範囲だが、長時間だと疲れを感じやすい。 |
| 8kg以上 | フレーム入りザックを選んだほうが確実に楽。 |
水や食料がかさむ夏のロングルートや、防寒装備が必要な冬場は、無理にTRAILBLAZER 20に詰め込まず、ひと回り大きいフレーム入りザックを選んだほうが無難です。
また、岩場・藪が多いハードな山域で頻繁に使うと、生地への負担も増えます。そうした使い方がメインの方は、重量は増えても厚手生地+フレーム入りのタフなモデルを選んだほうが、トータルでは安心です。
「安い」のに使える?コスパと他社比較
価格帯と入手しやすさ
TRAILBLAZER 20は、サロモンの中では比較的リーズナブルなエントリー〜ミドルレンジモデルとして位置づけられています。
公式ストアやスポーツショップ、オンラインモール(Amazon・楽天など)で広く流通しており、セール時を狙えばかなり手頃な価格になることが多いです。
- 定価:エントリーレンジとしては標準〜やや安め
- 実勢価格:シーズンオフやカラー変更のタイミングで値下がりしやすい
- カラー展開:ブラック系から明るめカラーまであり、街使いしやすい落ち着いた配色も豊富
「ブランド物だけれど、アウトドア専門ガレージブランドほど高くない」「セールを狙えばかなりお得」という意味で、コスパは高い部類です。
また、サロモンは総合アウトドアブランドとして知名度・流通網があるため、地方の量販店やスポーツショップでも現物を試しやすく、「通販オンリーのガレージブランドはちょっと不安」という方にも選びやすいモデルです。
同容量帯の競合モデルとの比較
20L前後のデイパックと比較すると、TRAILBLAZER 20の立ち位置は次のようになります。
- Osprey など本格登山ブランド
・フレーム入り・背面調整機能ありのモデルが多く、背負い心地は非常に快適
・そのぶん重量は800〜1000g前後になることが多く、価格もやや高め - Millet など山向けデイパック
・岩稜帯やラフな環境に耐える厚手生地・補強が特徴
・タフだが、通勤ラン・街ラン用途にはややオーバースペック - UL系ガレージブランドのザック
・さらに軽く(300g前後)、高強度素材のモデルも多い
・ただし価格が高く、入手性やアフターサービス面で人を選ぶ
こうした中でTRAILBLAZER 20は、「有名ブランドの安心感がありつつ、軽くて価格も抑えめ」というバランス型ポジションです。
「軽量性・フィット感・価格のバランス」を重視するユーザーにとって、過度な機能を削ぎ落としながら必要十分な装備を残した“ちょうどいい”仕様であり、ライトハイク〜タウンユースの1本目として特にコストパフォーマンスが高い選択肢といえます。
登山で使ってみたリアルな印象
日帰り登山での荷物量とパッキング例
20Lという容量は、標準的な日帰り登山の荷物がちょうど収まるサイズです。春〜秋の低山〜中級山域であれば、次のような装備が目安になります。
- レインウェア上下
- 薄手のフリース or ウィンドシェル
- 防寒用インナーダウン(季節による)
- 行動食・昼食・行動用水(1〜1.5L程度)
- ファーストエイドキット・エマージェンシーシート
- ヘッドランプ・バッテリー
- 手袋・帽子・地図・コンパス
- 貴重品・スマホ・カメラ など
パッキングのコツは次のとおりです。
- 背面側のハイドレーションスリーブに折りたたんだレインウェアを入れ、背面をフラットに保つ
- その手前に防寒着・食料をまとめて収納する
- 下部にタオルや着替えなどクッションになるものを詰める
- 小物はフロントポケット・サイドポケットへ分けて収納する
こうするとザックの形がきれいに出て、背負ったときに「背中に板が入っているような安定感」に近づきます。
実際のユーザーレビューでも、「日帰りであれば必要なものは一通り入るが、欲張って持ち物を増やさないことが快適さのコツ」という声が多く、軽量パックらしい“持ち物の取捨選択”を促してくれるサイズ感です。
山で感じたメリットと気になる点
登り・下り・岩場・樹林帯での使い勝手は、おおむね次のような印象です。
- 登り:軽さのおかげで足運びがとても楽で、長い階段や急登でも「ザックに引っ張られている感」が少なく、テンポよく登れます。
- 下り:ストラップをしっかり締めていれば、早歩き〜やや小走り程度なら安定しています。スピードを上げると揺れは増えるので、本格的なランにはラン専用ザックのほうが有利です。
- 岩場:ザック自体が小ぶりで体に近いので、岩への引っかかりは起きにくいです。ただし生地は厚手ではないため、鋭い岩肌への擦れはなるべく避けたいところです。
- 樹林帯:ショルダーのメッシュ部が枝に引っかかりやすいという声もあり、藪っぽいルートではやや注意が必要です。
通気性については、背面メッシュとソフトなフォームのおかげで、一般的な登山用デイパックより蒸れにくい印象です。ただし真夏に汗だくで歩けば、背面が濡れるのは避けられません。「蒸れがまったくない」わけではないものの、不快感はかなり抑えられていると考えてよいです。
重量・フィット感・通気性を総合すると、「整備された登山道〜近郊の中級山域を、軽装でテンポよく歩く」という用途には非常にマッチしており、逆に「岩・藪・悪天候が前提の本格山行」にはやや心許ないというバランスです。
ストラップの当たり具合は、細身〜標準体型の方にはフィットしやすく、華奢な方でも違和感は少ない仕上がりです。がっしり体型の方は、チェストストラップの位置調整をしっかり行わないと、少し窮屈に感じる場合があります。
フリーサイズながら調整幅は広いため、購入前に店頭で一度試着し、自分の体型でどこまでフィット感を追い込めるか確認しておくと安心です。
スピードハイク&通勤ランでの使い勝手
スピードハイクでの評価
スピードハイクでは、「軽さ」と「揺れにくさ」がそのまま快適さに直結します。TRAILBLAZER 20は、その両方を程よく満たしている印象です。
- 速いペースで歩いても、ザックが体にしっかり付いてきてくれる
- 程よいソフトさのショルダーが肩に食い込みにくい
- 走りと歩きを繰り返すようなペースでも、ストラップ調整で揺れをコントロールしやすい
ボトル・ハイドレーションの使いやすさもポイントです。
- ハイドレーション対応スリーブがあり、チューブをショルダーストラップに沿わせやすい
- サイドポケットには500mlクラスのボトルを収納でき、走行中も手を伸ばせば届く位置にある
「常に走る」トレラン寄りのスタイルというより、「登りは早歩き・下りとフラットは軽くジョグ」といったスピードハイクに相性がよいと感じられます。
本格トレイルランニングパックほど細かいフィット調整機能はありませんが、そのぶん構造がシンプルで扱いやすく、「トレランほど速くは走らないけれど、山をリズムよく動きたい」というユーザーにとってちょうどよい塩梅です。
通勤ラン・街ランでの評価
通勤ランで気になるのは、「仕事道具をどう入れるか」と「街での見た目」です。
- ノートPC:薄型の13インチクラスなら、スリーブケースに入れて背面側に立てる形で運用できます。ただしクッション性は限定的なので、PC保護ケースは必須と考えたほうが安心です。
- 書類やタブレット:ハイドレーションスリーブに入れると背面で安定しやすく、走行中の揺れも抑えられます。
見た目については、スッキリしたデザインと控えめなロゴで、スーツやオフィスカジュアルとも意外と馴染みます。ブラックやダークカラーを選べば、オフィスでも違和感はほとんどありません。
TRAILBLAZERシリーズは「山でも街でも使えるデザイン」がコンセプトのひとつで、「いかにも山ザック」というルックスを避けたい方にも取り入れやすい見た目です。
街ラン〜ジム通いでは、
- ウェア・シューズ・タオル・簡単な小物程度なら十分に収納できる
- 軽量なので、走り終わった後にそのまま電車に乗っても負担が少ない
といった利点があり、「通勤ラン+日帰り登山」の二刀流ザックとしてかなり有用です。
特にTRAILBLAZER 20のように、「スポーツ専門店や量販店で現物を確認できる軽量ザック」はまだ多くないため、ライトなラン&ウォーク用途を1つのザックにまとめたい方には有力な候補になります。
収納とポケット配置
メイン気室とハイドレーションスリーブ
メイン気室は1気室構造で大きく開くため、パッキングがしやすいのが特徴です。
- レインウェアや防寒着は、スタッフサックにまとめるよりも、軽く畳んで背面〜側面に沿わせるほうが“背面補強”になりやすい
- 食料やクッカーなど固いものは、中心〜やや背中寄りにまとめると揺れが減る
ハイドレーションスリーブの活用方法は次の2パターンです。
- ハイドレーションを使う場合:1〜2Lのリザーバーを入れ、チューブをショルダーから出せば手ぶらで給水が可能。スピードハイクや通勤ランで特に便利です。
- ハイドレーションを使わない場合:PC・タブレット・書類・折り畳みマットなど、“板状のもの”を入れるスペースとして活用できます。
どちらのスタイルでも、背面のフラットさと荷重の安定に貢献してくれる構造になっています。
まとめ:TRAILBLAZER 20 は「最初の1本」にちょうどいい
TRAILBLAZER 20は、「日帰り登山も通勤ランも、1つでまかなえたら理想なのに」という欲張りなニーズにかなり近づいてくれるザックだと感じます。20L・約410gという数字どおり背負った瞬間から軽く、フレームレスながら3点支持のハーネスと上手なパッキングで、歩きから軽いランまで揺れを抑えた使い心地が得られます。
一方で、テント泊縦走や冬山、岩稜・藪が主体のハードな山行には力不足です。快適な荷重はざっくり5〜6kg前後まで、想定するのは「日帰り〜ライトトレッキング」と考えたほうがしっくりきます。
価格面ではサロモンというブランドの安心感を持ちつつ、セールを狙えばかなり手頃で、他ブランドの本格デイパックよりも軽く、UL系ザックよりも入手しやすいちょうど中間的な立ち位置です。
本格ULほど尖っていないけれど、量販店の安物リュックでは物足りない――そんな人が、山・街・ランを気軽に行き来するための「最初の1本」として選ぶ価値はかなり高いモデルだといえるでしょう。