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街着だけじゃもったいない。ノースフェイスAlteratを山で着てわかった、意外な通気性と動きやすさ。

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目次

【登山レビュー】実際の山行シーンでの着用感

標高2,000m級・日帰り登山でのレイヤリング例

今回は、「ノースフェイス Alterat(オルタラット)」をメインのミッドレイヤー兼ライトアウターとして、標高約2,000mクラスの中級レベルの日帰り登山で試してみたときのレビューです。季節は10月上旬、天気は晴れ時々くもり、稜線ではやや強めの風が吹くコンディションでした。

体感としては、

  • 登山口(標高800m前後):朝の気温約12℃
  • 樹林帯の登り:運動強度やや高めで汗ばむ
  • 稜線・山頂付近(標高2,000m前後):風が強く、体感温度は一桁台

という、レイヤリングの良し悪しがハッキリ出やすい一日でした。

この日のレイヤリングは以下のような組み合わせです。

  • ベースレイヤー:メリノウール混の長袖クルーネック(薄手)
  • ミッドレイヤー:ノースフェイス Alterat(フロントジップタイプ)
  • アウター:薄手のハードシェルジャケット(途中から着脱)
  • ボトム:化繊の登山用パンツ+薄手タイツ

「ノースフェイス Alterat 登山 レビュー」としてよく見かけるのが「街でも山でも使える万能ミッドレイヤー」という評価ですが、今回の山行ではその評価が本当なのか、特に「通気性」と「動きやすさ」に注目して試してみました。

Alteratは、撥水ダウンと化繊インサレーションを組み合わせたハイブリッド構造のモデルで、身頃にはふくらみのある撥水ダウン、肩周りや摩擦の出やすい部分は化繊で補強されたつくりになっています。表地は薄手でしなやかなパーテックスカンタムが使われていて、単体でもミッドレイヤーとしても使いやすいバランスです。
また、インサレーションはVENTRIX系の「動くと熱を逃がし、止まると保温する」仕様のものが採用されており、行動中にどこまでムレを抑えてくれるのかがポイントになります。


行動中の着用感

驚いた「意外な通気性」とムレにくさ

樹林帯の登りでテスト

登山口から1時間ほどは、ほぼノンストップで樹林帯の急登。いつもなら、化繊インサレーションのミッドレイヤーだと30分も歩けば「前を開けないと暑くてたまらない」という状況になります。

Alteratを着ていてまず感じたのが、「思ったより暑くならない」という点です。見た目はしっかり中綿入りで、ぱっと見は“冬用アウター寄り”の印象ですが、実際に体を動かしてみると、

  • 体幹部分はじんわり温かい
  • でも、汗がこもっている感じが少ない

という、少し不思議な着心地でした。

VENTRIX系のインサレーションは、「動くと通気性が上がり、止まると保温性が高まる」というコンセプトの素材で、メカニカルなベンチレーションや脇下のファスナーがなくても、動作にあわせて熱を逃がしてくれるのが特徴です。

実際、

  • 早歩きでグイグイ登っていても、背中側に熱がこもる“サウナ状態”になりにくい
  • ウールベースレイヤーが汗でベタベタにならず、「しっとり」くらいでとどまっている

と感じました。汗冷えしにくいという意味でも、登りではかなり優秀です。

ジッパーの開閉だけで温度調節しやすい

行動中に細かい温度調節をしたくなる場面は多いですが、Alteratは前ジッパーの上下動だけでかなり快適さをコントロールできます。

  • 樹林帯の急登:ジッパーを半分〜2/3開けて、胸元からしっかり換気
  • 風が出てきた尾根へのトラバース:ジッパーを締めて、胸元の保温をキープ
  • 川沿いの谷筋で気温が下がった場面:シェルを上から羽織る前に、まずジッパーを全閉

といった感じで、ミッドレイヤー単体での調整幅が大きく、こまめに脱ぎ着しなくてもそこそこ対応できる印象でした。

「ダウン=ムレる」というイメージとのギャップ

撥水ダウンが入っていると聞くと、「保温性は高いけど、運動量が増えると暑くてムレそう」と心配になる方も多いと思います。
Alteratに関しては、

  • 身頃にダウンの“ふくらみ”があるのに、汗だくになりにくい
  • 化繊部分とのハイブリッド構造のおかげか、熱が一箇所にこもらない

という意味で、一般的なダウンジャケットとはかなり着心地が違います。

特に肩まわりや脇まわりなど、バックパックのショルダーやベルトが干渉する部分が化繊素材で補強されているため、

  • ダウンがつぶれにくく、かといって暑すぎない
  • こすれやすいところの耐久性も確保されている

という、「山で使う前提」の設計がしっかり感じられます。

「ノースフェイス Alterat 登山 レビュー」で、通気性の良さがあまり語られていないのはもったいないと感じるくらい、行動中のムレにくさには好印象を持ちました。


休憩・停滞時の保温力

無風〜微風の休憩:ミッドレイヤーとして十分

1,500m付近で最初の休憩を入れたとき、風はほぼなく、気温は10℃前後。ここでは、

  • ベースレイヤー+Alteratのみ
  • シェルジャケットは着用せず

という状態で10〜15分ほど座って行動食をとりました。

この条件だと、Alterat単体の保温性でまったく問題ありません。

  • 体幹はしっかり温かい
  • 肩〜腕まわりも冷えを感じない
  • ベースレイヤーの汗が乾いてくるのが早く、汗冷え感が少ない

という感覚で、「秋〜初冬の2000m以下の日帰りなら、休憩時も基本AlteratでOKだな」と感じました。

風がある稜線・山頂付近:シェルの有無で体感差が出るシーン

※ここに続く本文がある想定で、見出しレベルのみ調整しています。


他のノースフェイス中綿・ソフトシェルとの違い

ノースフェイスの中綿ジャケットやソフトシェルと比べて、Alterat(オルタラット/オルター)は「街着もできるハイテク登山ウェア」という位置づけにあります。お店で試着すると「軽くて暖かそうだし、街でも着やすいデザイン」という第一印象になると思いますが、実際に山で使ってみると、それ以上に「通気性」と「動きやすさ」に特徴があると感じます。

ハイブリッドインサレーションという考え方

一般的なノースフェイスの中綿ジャケットは、ダウンや化繊の中綿を全体に均一に入れて、保温性を優先しているモデルが多いです。一方Alteratシリーズは、

  • 身頃:ふくらみと保温力のある撥水ダウン
  • 肩・サイド・摩耗しやすい部分:形状保持と耐久性に優れた化繊中綿&ストレッチ素材

という「ハイブリッド構造」になっているのが大きな違いです。寒さを感じやすい胴体はしっかり温めつつ、動きの大きい部分はしなやかで通気性のある素材に切り替えているので、雪山でザックを背負って行動したときでも「肩だけ妙にムレる」「背中だけベタベタする」といったストレスが少なく感じられます。

VENTRIXの「動くと抜ける、止まると暖かい」機構

Alteratの中には、ノースフェイス独自のVENTRIX(ベントリックス)系のインサレーション技術が使われているモデルがあります。これは、一言でいうと「動きに反応して通気量が変わる中綿」です。

  • 体を動かしているとき:微細なスリットが開き、余分な熱や湿気を逃がす
  • 立ち止まっているとき:スリットが閉じて、熱をキープする

この“自動ベンチレーション”のような仕組みのおかげで、秋〜初冬のアルプスや、雪の低山でのラッセルなど、運動量の上下が激しいシーンでも「脱いだり着たりを減らせる」のがAlteratの真骨頂です。

普通のダウンや中綿ジャケットだと、少しペースを上げただけで一気にオーバーヒートして、前を全開にしたり、結局脱いでザックにしまったりしがちですが、Alteratはその「行動中の温度・湿度コントロール」が一段楽になります。

ソフトシェルと比べたときの保温力の差

ノースフェイスの薄手ソフトシェル(Apex系など)は、どちらかというと「風を防いで軽く保温」するイメージで、無雪期の稜線や春の残雪期にちょうど良いことが多いです。ただし、気温が0℃を下回るような環境では、ソフトシェル1枚では心もとないこともあります。

Alteratの場合は、しっかり中綿が入っているので、

  • 気温0〜5℃前後:ベース+Alteratでちょうどいい(無雪期〜初冬の稜線向き)
  • 気温マイナス〜:ベース+薄手フリース+Alterat、さらに上にハードシェルを足すと安心

といった具合に、ソフトシェルより「一段上の防寒レベル」を担当してくれる印象です。ソフトシェルのようにしなやかに動けるのに、きちんと“中綿ジャケットの暖かさ”があるのがAlteratならではの持ち味です。

他のノースフェイス中綿との違い(重ね着前提か、一枚完結か)

他のノースフェイスのダウンや中綿ジャケット(ヌプシ系など)は「防寒着」としての性格が強く、

  • 立ち止まったときに羽織る
  • テント場や山小屋での防寒
  • 街での真冬アウター

といった「止まっているときに暖かい」シーンにフォーカスしたモデルが多いです。

Alteratはむしろ、

  • 歩き続ける時間が長い登山
  • 標高差の大きい縦走
  • 気温変化が大きい春・秋の山行

のように、「動きながら着っぱなし」を想定した中綿ジャケットという印象です。街で着ると、ややオーバースペックに感じるくらい行動着寄りです。

「軽さ」と「しなやかさ」のバランス

表地に使われるパーテックスカンタムは、とても軽くて柔らかいのが特徴です。これによって、

  • ミドルレイヤーとしての重ね着がしやすい
  • 腕上げ・前かがみ・岩場でのよじ登りなどでもツッパリ感が少ない
  • ザックの中でかさばりにくい

というメリットがあります。
他のしっかり系中綿ジャケットは、生地がやや硬くゴワつきやすいことが多いのですが、Alteratは「ソフトシェル寄りの着心地で、中綿の暖かさを足した」ような感覚です。


パタゴニア・アークテリクス・モンベルとの比較視点

Alteratの“立ち位置”をイメージしやすいように、他ブランドの代表的なミッドレイヤー・行動保温着と比較してみます。「ノースフェイス Alterat 登山 レビュー」を探している方の多くは、これらのブランドと迷っているケースが多いと思います。

パタゴニアとの比較:ナノ・エアなどとの違い

パタゴニアでAlteratに近いのは「ナノ・エア」「マイクロ・パフ」などのアクティブインサレーション系です。

  • ナノ・エア:とにかく「よく通気する」インサレーション。フリースと中綿の中間のようなポジション
  • マイクロ・パフ:軽量・コンパクト性を重視した化繊中綿

Alteratとのざっくりした違いは、

  • 通気性:ナノ・エア > Alterat
  • 保温力&防風性:Alterat > ナノ・エア
  • 街着のしやすさ:どちらも良好(デザインの好み次第)

というイメージです。
ナノ・エアは「終始動きっぱなしのアクティビティ向き」、Alteratは「行動メインだけど、風や冷えにも少し強くしたい」人に向きます。特に日本の冬山や寒い稜線では、Alteratの方が「風に強くて安心感がある」と感じる方も多いはずです。


まとめ:Alteratは「街でも山でも」以上に、山でちゃんと歩きやすい一着

ノースフェイス Alteratは、「街でも着られる中綿ジャケット」という第一印象に反して、実際の山行では行動着としてかなり使いやすい一着だと感じました。撥水ダウンと化繊を組み合わせたハイブリッド構造とVENTRIX系インサレーションのおかげで、樹林帯の急登でも想像よりムレず、汗が「しっとり」程度に収まるバランスが印象的です。さらに、前ジッパーの開閉だけで体感温度の調整幅が大きく、「脱ぎ着の回数を減らせるミッドレイヤー兼ライトアウター」として機能してくれます。

休憩中は、無風〜微風なら2000m級の日帰り登山でもAlterat単体で十分に暖かく、風が強い稜線ではハードシェルを重ねることで安心感が出ました。他ブランドのアクティブインサレーションと比べても、「通気性」と「防風性・保温力」のバランスに優れ、秋〜初冬の登山で着っぱなしにしやすい一枚を探している方にとって、有力な選択肢になりうるアイテムだと思います。街と山をまたいで使えるだけでなく、「山でちゃんと歩きやすい」という意味でも注目する価値のあるジャケットです。

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