Pa’lante V2が気になっているけれど、「ヒップベルトなしで10kg背負って登山は現実的なのか?」と不安に感じている方は多いはずです。UL界隈では憧れ扱いのザックですが、実際の山行でどこまで使い込めるのか、公式スペックだけでは見えてこない部分もありますよね。
この記事では、Ultraweave素材の耐久性や収納力といった基本情報に触れつつ、「実際にPa’lante V2で10kgを背負って日帰り登山をしたらどうだったのか」を軸に、リアルな使い心地をレビューしていきます。ファストパッキング寄りの軽快なスタイルに惹かれている方や、Zpacks・HMG・モンベルあたりと迷っている方に向けて、「どんな人なら相性が良いか」「どんな山行なら厳しく感じるか」まで率直にお伝えしていきます。Pa’lante V2の購入を検討している方は、ひとつの判断材料として読んでみてください。
Pa’lante V2ってどんなザック?
Pa’lante V2の基本スペック(容量・重量・価格)
Pa’lante V2は、ウルトラライト(UL)志向のミニマルなバックパックです。モデルや素材によって異なりますが、Ultraweave版はおおむね30〜37Lクラス(ロールトップで拡張可能)、本体重量は約390〜410g前後とされています。価格は素材や輸入経路によって変動しますが、Ultraweave採用モデルで2〜4万円台が目安です(販売時期により変動します)。
同ブランド内では「日帰り〜1泊のファストパッキング/マウンテンランニング/バックカントリーにも対応できる容量」と、「ウエストベルトほぼ無し・チェストストラップ1本のみ」という割り切った構成が特徴で、フレームレスULザックの“進化版”という位置づけです。競合モデルのMontbell バランスライト30(約468g)と比べると約100g軽く、実容量は同等〜やや大きめというバランスになっています。
Ultraweaveってどんな素材?
Ultraweaveは、UHMWPE(ダイニーマ系)由来の高強度繊維を使い、従来のDCFよりコストを抑えつつ、引き裂き強度や耐摩耗性を高めた素材です。軽量で撥水性が高く、岩場や藪での擦れにも比較的強いのが特長です。完全防水をうたう溶着仕上げのモデルもあり、濡れた雪や小雨程度なら安心感があります。
公表値ベースでは、従来のDCFと比べて引き裂き強度は約3倍、耐摩耗性は約7倍とも言われ、ULザックにありがちな「軽いけれどすぐ擦り切れる」という弱点をかなり補っています。もともとヨットのセイル用に開発されたファブリックで、繊維自体のテンシル強度はDCFと同等クラスながら、織り構造とコーティングの工夫によって、実際のフィールドでの使い勝手を高めている点がポイントです。
V2がUL界隈で“憧れ”と呼ばれる理由
軽さとミニマルなデザイン、そして耐久性を両立している点が評価されています。シンプルな外観ながら、ポケット配置やトレッキングポールの保持など、登山での実用に配慮した設計になっており、ファストパッキング界隈では「軽さだけではない、全体バランスの良さ」が支持されています。見た目の洗練さも人気の理由のひとつです。
Pa’lanteブランド自体が海外のPCTなどロングトレイル・コミュニティ発祥という背景もあり、UL文化を象徴するブランドのひとつとして扱われています。日本でもInstagramやブログを通じて徐々に認知が広がり、「量販店では買えないニッチなULギア」として、所有欲を満たすアイテムになっている側面もあります。
購入前に一番気になったポイント:「ヒップベルトなしで本当に大丈夫?」
フレームレス+カーボンスパイン構造の仕組み
V2はフレームレスを基本としつつ、内部に柔らかなカーボン製スパイン(または薄いステイ)を入れるバリエーションがあります。フレームの代わりにスパインが背面で荷重を分散し、ショルダーハーネスで荷重を受ける設計です。ヒップベルトがないぶん、肩と背面に荷重が集中しないよう、パッキング密度と重心位置のコントロールが重要になります。
この「シングルスパイン」構造は、完全な板フレームよりもねじれに追従しやすく、登攀時やラン時の上体のひねりに柔らかくついてきてくれるのが利点です。一方で、一般的なアルミフレームのように荷重を腰へしっかり逃がす力は限定的なので、「荷物を固く一本の柱のようにパッキングする」ことが快適性に直結します。メーカーも“ライトオーバーナイトまで”と用途を絞っており、重登山ザックとは設計思想が根本的に異なります。
公式スペック上の耐荷重と、10kgという重さの位置づけ
メーカー仕様では「デイ〜ライトオーバーナイト向け」で、実用荷重は5〜10kg程度が想定レンジです。10kgはその上限に近く、UL本来の想定よりやや重めと言えます。長時間の重荷では、肩の疲労やずり落ちが出やすくなるため注意が必要です。
海外のULコミュニティでは、「Pa’lanteクラスのフレームレスULザックに入れるベースウェイトの目安は約5kg、ウォーター&フード込みでも8kg以内」という声が多く、10kgは“テストとしてはありだが、常用はしたくない”ゾーンという感覚です。YouTubeレビューなどでも、15kgを超えた荷重テストではハーネスのずれや不快感が報告されており、重荷運搬用ザックではないことがはっきりしています。
10kg背負う前提で気になった不安要素
- ショルダーパッドが薄めなことによる、肩への局所的な痛み
- 腰で受けられないことによる、上半身への負荷からくる姿勢の崩れ
- スパインや縫製部への長期的な負荷(耐久性への影響)
- 下りでの揺れ・ずり落ち(ヒップで固定できないため)
- カーボンスパインへの過負荷による折損リスク(初期ロットで実例あり)
- 長時間使用時のチェストストラップ周辺の擦れ・食い込み
実際に「Pa’lante V2」で10kg背負って登山してみた
使用シチュエーションとルート概要(季節・距離・累積標高)
春の中級日帰りコースで使用しました。コース概要は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 距離 | 約18km |
| 累積標高 | +1,200m/−1,200m |
| 行動時間 | 約10時間 |
| 天候 | 晴れのち夕方に小雨 |
Pa’lante V2の想定ど真ん中に近いシチュエーションで、海外レビューでも「10時間前後のデイトリップ」「ライトオーバーナイト」での使用例が多く見られる条件です。標高差1,000〜1,500m、行動時間8〜12時間くらいが、ULザックとしての“勝負どころ”と言ってよさそうです。
パッキング内容と重量内訳(どこまで詰め込めるか)
総重量は約10.0kg(ザック本体を除く)でした。内訳は以下のとおりです。
| 装備 | 重量の目安 |
|---|---|
| 水(1.5L) | 約1.5kg |
| 食料・行動食 | 約0.9kg |
| 防寒ダウン・レインシェル | 約1.0kg |
| 非常用ビビィ+軽量マット | 約0.9kg |
| 着替え・小物 | 約1.0kg |
| カメラ・バッテリー類 | 約0.6kg |
| テント代替装備 | 無し(UL前提) |
| 合計 | 約10kg |
ロールトップで多少は容量に余裕がありますが、固く詰めると荷重がそのまま肩に直結する感覚になります。
本来このクラスのULパックは、「テント・クッカー込みの完全自立装備」というより、「ごく小さなシェルター+簡易ストーブ or ノークック」「寝袋もUL化」といった前提のもとで設計されており、総重量8kg以下に抑えてこそ真価を発揮します。10kgまで積み増すと、「容量的には入るが、背負い心地としては妥協ライン」という印象でした。
登り・下り・トラバースでの背負い心地
- 登り:重心が高めだと肩にストレスが集中します。前傾姿勢を維持すれば比較的安定しますが、急斜面では腕振りが制限されることもありました。
- 下り:ヒップでの固定がないため上下動が大きく、揺れによる衝撃が肩にダイレクトに伝わりやすいです。特にトラバースではバランス取りに気を使いました。
ULコミュニティで言われるとおり、「軽荷での足さばき・リズムの気持ちよさ」は顕著で、岩場の小さなステップや不安定なトラバースでも、パックが身体の動きに素直についてきます。一方で、荷重が増えるほど下りでの“肩を引っ張られる感覚”が目立ち始め、特にザレ場や段差の大きい下りでは、ヒップベルト付きパックとの差を強く感じました。
10時間歩いたときの疲労感と痛み
序盤はまったく問題なく快適でしたが、6時間を超えたあたりから肩甲骨周りと首の付け根にだるさが出始め、終盤には左肩に擦れによる軽い痛みを感じました。ヒップベルトで腰に逃がせば軽減できるレベルの疲労です。
これは国内外のレビューともかなり共通していて、
- 「5〜6時間以内なら快適、それを超えると肩・首にじわじわ来る」
- 「ベースウェイト次第で楽にも苦行にも変わる」
という声が多いです。逆に言えば、ベースウェイトをしっかり削れているULハイカーにとっては、「10時間歩いても肩がほとんど気にならなかった」というレビューもあり、装備構成と体力次第で評価が大きく分かれるポイントだと感じました。
ヒップベルトがないことの“メリット”と“代償”
腰ではなく肩と背中で支える感覚
腰を締めないぶん、肩周りと背中の筋肉で荷重を支える感覚が強くなります。軽荷での機動性は非常に高く、走ったときの自由度も良好ですが、重荷では持久力勝負になります。
とくにテクニカルな岩場やスクランブリングでは、腰周りの締め付けがないことで足上げがスムーズになり、「登っている最中のストレスは減るが、アプローチ〜下山までをトータルで見ると疲労は増える」という印象でした。長く重い縦走よりも、「短〜中距離のキレのある山行」に振った思想のザックと言えます。
歩きの自由度・走りやすさ
軽い装備でのファストパッキングやランニング時は非常に機動的です。一方で、10kg級の荷重になると上下動が増え、長距離を走る用途には向きません。
Pa’lante V2は、トレイルランニング用ベストのように身体に密着させる設計ではありませんが、ULザックの中では「走っても揺れが少ない」と評価されることが多く、実際にPCTや国内アルプスの長距離ルートを“歩き7割・ジョグ3割”といったスタイルで使っている人もいます。ただしこれは7〜8kg以下が前提で、10kgを超えると一気に“走る気がなくなるゾーン”に入ると感じました。
肩の痛み・ずり落ち対策として行った工夫
- チェストストラップの位置をやや高めに設定し、テンションも強めに調整
- 荷物を背中寄せで低重心化(重い物を背面下部へ配置)
- 肩パッド部分に薄手の追加パッドを挟む
- 必要に応じて、市販の簡易ヒップベルト(別売アクセサリ)を併用
これらでだいぶ楽になりましたが、根本的な解決策は「荷重を減らすこと」です。
UL界隈では、パッド入りショルダーストラップカバーの追加や、エバニューなどの薄手マットを折って背面と荷物の間に挟み、クッション兼“なんちゃってフレーム”にする工夫もよく使われています。Pa’lante V2も同様で、「どこまで軽くするか」「パック内でどう“芯”を作るか」が快適性アップのカギになります。
Ultraweave生地とカーボンスパインの耐久性チェック
岩場・藪・雨天での生地の傷み方
岩での擦れは小さなスレ跡程度で済みました。藪では枝による表面の白化や細かな傷は目立ちますが、破断まで至るケースはありませんでした。Ultraweaveは従来の薄手ナイロンより明らかに耐摩耗性が高く、実用的だと感じます。
海外の実例では、「Ultraweave製Pa’lanteでPCT全行程(4,000km超)を歩ききり、底面と角にそれなりのスレは出たが穴あきは無し」という報告もあり、UL向け生地としてはトップクラスのタフさです。日本の岩稜帯でも、「一般的な30D〜70DナイロンULザックならヒヤッとするような擦れ方をしても、精神的にかなり安心できる」という印象でした。
完全防水にどこまで期待できるか
溶着処理のモデルであれば、内部への浸水はかなり抑えられますが、ロールトップ部や縫い目周りには注意が必要です。長時間の浸水や豪雨では浸入リスクがあるため、防水スタッフバッグの併用が安心です。
Ultraweave自体の耐水性は高いものの、ULパック全般に言えるとおり、「縫い目・開口部・背面パネル周り」は完全防水ではありません。メーカーも“ドライバッグ代わり”とはうたっておらず、パンツやダウンなど濡らしたくないものはインナーのドライサックにまとめるのが現実的です。短時間の雪や小雨なら問題ありませんが、夏の雷雨や長時間の土砂降りでは過信は禁物です。
スパインのトラブル事例とV2.1での改善点
初期ロットではスパイン折れの報告があり、その後のロットで強化や素材選定の見直しが行われています。長期的には、スパインの状態を定期的に確認し、過荷重を避けることが大切です。
実際、2022年前後のV2初期ロットでは、約1割のユーザーがスパイン折れ・クラックを経験したとも言われており、その後のマイナーチェンジ(便宜上V2.1)でカーボンの肉厚や差し込み部の補強が行われました。中古で購入する場合は、この改善後ロットかどうかを確認しておくと安心です。また、飛行機輸送や宅配時の衝撃で曲がるケースもあるため、長期保管時はスパインを抜いておく、もしくはパックが押し潰されないように保管するといった工夫もおすすめです。
Pa’lante V2の収納力と使い勝手
メインコンパートメントのリアルな容量感
30LクラスのV2は、日帰り〜軽めのテント泊に対応できる容量感です。ロールトップで余裕を持たせれば、1泊のUL装備も現実的ですが、10kg近辺まで詰めると内部はかなりパンパンになります。
UL志向で装備を削っている人なら、シェルター・夏用シュラフ・クッカー一式を詰め込んで、「1泊山小屋+非常用ビバークもカバー」といった運用も可能です。一方で、冬装備や厚手シュラフ、かさばる自立式テントを入れると、あっという間に許容量オーバーになります。そのため、「このザックに収まる装備構成を前提に山行計画を組む」くらいの割り切りは必要だと感じます。
フロントメッシュ・サイドポケットの使い勝手
フロントポケットは薄手のシェルや行動食、地図類などの収納に便利です。大きなペットボトルは入りにくいことが多く、ボトルはサイドポケットかハイドレーションを使う前提の設計です。
外付けポケットはPa’lanteらしくかなり実戦的で、濡れ物や頻繁に出し入れするギア(レインウェア、浄水器、グローブ、ゲイターなど)を放り込みやすい形状です。サイドポケットには500〜600mlクラスのボトルなら出し入れしやすく収まりますが、1Lボトルを2本並べるような使い方は想定されていません。このあたりは、ペットボトル多用スタイルよりも、「ソフトフラスク+ハイドレーション」に最適化されたUL寄りの設計と言えます。
トレッキングポール・アイスアックスの取り回し
トレッキングポールの固定は実用的で、歩行中の脱着も慣れればスムーズです。アイスアックスも装着可能ですが、ガチャガチャと揺れないように、小さなループやバンジーコードを追加して補強しておくと安心です。
本格的なアルパインクライミング用ザックのような頑丈なアックスホルダーこそ備えていませんが、冬期ハイキングや残雪期山行であれば十分に実用レベルです。ULハイカーの間では、ショックコードを追加してバンジー式のポール/アックス固定システムを自作するケースも多く、V2も“カスタム前提で軽量化されている”印象があります。
ボトル派か、ハイドレーション派か
基本的にはハイドレーション派向きのザックです。ボトル派だとポケットサイズの制約が出やすく、ハイドレーションのチューブ取り回しのほうがスムーズに感じます。
とくにファストパッキングやマウンテンランニングでは、「歩きながら・走りながらこまめに飲めること」が行動速度に直結します。その点、V2はショルダーストラップにフラスク用メッシュポケットが付く構成もあり、ソフトフラスク+ハイドレーションの組み合わせが非常に使いやすい設計です。ペットボトル運用も不可能ではありませんが、“UL的な飲料システム”を組んだほうが、このザックのポテンシャルを引き出しやすいと感じました。
Pa’lante V2が“刺さる人”と“合わない人”
相性が良いスタイル:ファストパッキング/日帰り・1泊UL
軽さと機動性を重視し、荷物を徹底的に絞り込める人には、とても相性の良いザックです。走る場面や、速く移動する時間帯が多い行程にフィットします。
具体的には、PCTやJMTのようなロングトレイルを「UL寄り装備で軽快に歩きたい人」や、日本アルプスで「小屋泊ベースでサクサク縦走したい」「日帰りで標高差1,500mクラスをスピーディーにこなしたい」といった人に向いています。ベースウェイトを5kg以下に収められる上級ULハイカーほど、V2のメリットを強く体感できるはずです。
相性が悪いケース:テント泊縦走・重装備山行
テント泊装備や調理器具を含む重装備では、腰で受け止められないぶん長時間は辛くなりがちです。複数泊の本格的な縦走にはあまり向きません。
とくに、4〜5日以上のテン泊縦走や雪山装備を伴う山行、大量の撮影機材を持ち歩くスタイルとは、根本的に相性が良くありません。そのような場合は、Pa’lante V2のようなULミニマルパックではなく、フレーム入りでヒップベルトがしっかりした40〜60Lクラスのバックパックを選んだほうが、トータルの体力消耗や安全面で圧倒的に有利です。
体型・フィットの傾向(肩幅・胴長など)
肩幅が狭めの人や、胴長体型の人は、ショルダーの当たり方によって痛みが出やすいという報告があります。購入前には、チェストストラップ位置やショルダー形状が自分の体型に合うかを確認しておきたいところです。
実際、中古市場には「体に合わず肩が痛いので手放します」というコメント付きで出品されている例も多く、ULザック特有の“合う人には最高・合わない人にはきつい”フィット感だと感じます。背面長の調整幅はそれほど大きくないため、胴長で腰位置が低い人、逆に上半身がかなり短い人などは、チェストストラップ位置がしっくり来ない可能性があります。できれば店頭、もしくは友人のものを借りるなどして、加重した状態で試してみるのがおすすめです。
他のULバックパックと比較して見えた“V2らしさ”
Zpacks・HMG・Montbellなどとの違い
- Zpacks(DCF採用):さらに軽く防水性も高いですが、価格が高く、擦れに弱い面があります。
- HMG:耐久性重視でやや重め。長期縦走やハードユース向けの性格が強いです。
- Montbell:ナイロン主体でバランス型。日本人向けのフィット感とコスパが魅力です。
その中でPa’lante V2(Ultraweave版)は、「DCF並みの軽さ・防水性」を維持しつつ、「価格はやや抑えめ」「耐摩耗性はむしろ上」というポジションを狙っており、ULヘビーユーザーからの支持を集めています。見た目のデザイン性も高く、「耐久性+ルックス+機動性」のバランスで差別化されているモデルと言えます。
日本ブランド製ULザックと比べた強み・弱み
日本ブランド製ULザックと比べた場合の強みは、素材の耐久性(Ultraweave)とデザイン性です。一方で、弱みとしてはフィット感の個人差が大きいこと、ヒップベルトがないことによる長時間の快適性の限界が挙げられます。
日本ブランドのULザックは、日本人の体型に合わせた背面長・ショルダー設計や、細かなポケットワークが得意なモデルが多く、「誰にでも一定レベルで合いやすい」傾向があります。Pa’lante V2はそこをあえて削ぎ落とし、「割り切ってフィットする人には最高の道具」という方向に振ったザックです。自分の山行スタイルと体型にハマれば、とても心強い相棒になってくれるモデルだと感じました。
まとめ:Pa’lante V2で「10kg背負う」のはアリか?
Pa’lante V2は、「ヒップベルトなしの軽量ザックでどこまで攻められるか」を突き詰めたモデルだと感じました。Ultraweaveの耐久性やポケットの作りは頼もしく、日帰り〜1泊のUL山行であれば、かなり気持ちよく歩けるザックです。
一方で、10kgを背負って10時間歩くと、やはり肩と首まわりに疲れが溜まりやすく、ヒップベルト付きザックのような“無理の効き方”は期待しにくいというのも正直なところです。工夫次第である程度までは快適に寄せられるものの、「荷物を削る」「パッキングを丁寧に組む」「自分の体型に合うか確かめる」といった前提があってこそ本領を発揮するザックだと思います。
Pa’lante V2が向いている人
- ベースウェイトをしっかり落とせるUL志向のハイカー
- 日帰り〜1泊のファストパッキングや軽快な縦走がメインの人
- デザイン性や所有欲も含めて、ULギアを楽しみたい人
Pa’lante V2が合いづらいスタイル
- テント泊縦走や雪山装備など、常に重荷になりがちな山行
- 4〜5日以上の行程や、撮影機材などかさばる荷物を多く持つ山行
- 腰でしっかり荷重を受けたい、快適性最優先の装備選びをしたい人
「10kg背負っても歩けるか」と聞かれれば、歩けるけれど快適さはギリギリ、という答えになります。Pa’lante V2を前提に装備とスタイルを見直していくつもりなら、有力な選択肢。重さを削る覚悟があるかどうかが、このザックを選ぶかどうかの分かれ目になりそうです。