16インチノートPCを本気で外に持ち出すなら。「Anker 737 140W USB‑C Laptop Charger」レビュー
16インチクラスのノートPCも外出先でガッツリ使いたい。でも純正アダプタは重いし、コンセントも足りない──そんな悩みを一気に片付けてくれるのが「Anker 737 140W USB‑C Laptop Charger」です。
この記事では、旅行や出張、カフェ作業で実際に使い倒したうえでのリアルな使用感を、良いところも弱点も含めてレビューしていきます。
Anker 737ってどんな製品?
ざっくり概要
Anker 737は、USB‑C PD 3.1で最大140Wの入出力に対応したハイエンドのモバイルバッテリー(PowerCore 24000系)です。ここでいう「140W対応」とは、PD 3.1の28V/5Aプロファイルにより、16インチクラスのノートPCを純正アダプタに近い速度で充電できるという意味になります。
「Laptop Charger」と「Power Bank」の表記が混在していますが、ここでは主にモバイルバッテリー版(24,000mAh・最大140W入出力)を対象としてお話しします。出張や旅行でも、ノートPCを外出先でしっかり使いたい方に向いたモデルです。
同じ「737」カテゴリには、デスク据え置き向けの140WクラスAC充電器もあり、そちらは「コンセントから複数デバイスへまとめて給電する役割」を担います。一方、この737 Power Bankは、コンセントがない場所でもノートPCを本気で動かせる「持ち運べるACアダプタ+予備バッテリー」という立ち位置です。
USB‑Cポートは最大140W出力・最大140W入力のPD 3.1(EPR)に対応しているため、本体自体の充電も非常に高速です。さらに、本体側面のディスプレイでバッテリー残量や出力W数を確認できるのも特徴です。
旅行・出張で刺さるポイント
「充電器問題」をまとめて解決できる
ノートPC、スマホ、タブレットを持ち歩くと、荷物も充電器も増えがちで、コンセント不足や充電待ちで時間を無駄にしやすくなります。Anker 737なら、ノートPCをフルスピードで充電しつつ、余ったポートでスマホやイヤホンも同時に充電できるので、荷物とストレスをかなり減らせました。
実際には、USB‑C×2〜3+USB‑A×1といった複数ポート構成の140WクラスAC充電器と組み合わせると、「ホテルのコンセント1口+737 Power Bank」でかなりの台数を回せます。オフィスでは140Wマルチポート充電器、自宅外では737 Power Bankという組み合わせにしておけば、「どこでもUSB‑Cさえ挿せばノートPC作業をフルパワーで行える」環境を作れます。
このおかげで、かさばる純正アダプタや予備バッテリー類をまとめて減らすことができました。
Anker 737を開封してわかった第一印象
サイズ感・重さ・デザイン
見た目は薄型の大容量バッテリーで、純正のMacBookアダプタより厚みはあるものの、全体の体積は近い印象です。実際に使ってみると、カバンの底にもスッと収まり、持ち運びは想像よりも楽でした。質感はマットで安っぽさはなく、ポート配置も扱いやすいです。
24,000mAh・140W級というスペックを考えるとかなりコンパクトで、一般的な27,000mAh級バッテリーよりも変換効率が良く、そのぶんサイズも抑えられている印象です。
側面のスマートディスプレイには、
- バッテリー残量(%)
- 現在の出力W数
- どのポートがどれくらい使われているか
などが表示されます。そのため、「今どのくらい減っているのか」「あと何時間くらい持ちそうか」を感覚ではなく数字で把握できます。ノートPC用途では、この“見える化”がじわじわ効いてくる安心材料になりました。
付属ケーブル・ポート構成
USB‑Cポートは複数搭載されており、単ポート使用時は最大140W、複数デバイス接続時は合計140Wをポート間で配分する形です。USB‑Aポートもあり、スマホや古いデバイスの充電に便利です。
737本体への入力も最大140Wに対応しているため、PD 3.1対応の高出力USB‑C充電器と組み合わせれば、本体の充電もかなり短時間で完了します。ポートごとの出力はPDネゴシエーションで自動調整されるので、
- C1:ノートPC(高出力)
- C2:タブレット
- A:ワイヤレスイヤホン
といった形で挿すだけで、安全な範囲で自動的に電力を配分してくれます。PPS対応スマホであれば、さらに効率的な急速充電が行われるため、「どのポートに何を挿すか」を細かく気にしなくても運用できました。
旅行用には、短めの高出力USB‑Cケーブルと国別の変換プラグを用意しておくと、より安心して使えると思います。
スペックをわかりやすく分解:140W USB‑C PD 3.1の実力
140W出力とUSB‑C PD 3.1(EPR)の仕組み
「単ポート140W」は1台だけ接続したときのピーク値、「合計140W」は複数台接続時の総出力を指します。MacBook Pro 16インチはPD 3.1対応で140W近い入力を受けられるため、実用上はほぼ純正アダプタ並みの充電が可能でした。スマホやタブレットは機器側と通信しながら最適な電圧・電流に調整されます。
USB PD 3.1では、従来の20V上限の「Standard Power Range(SPR)」に加え、28V/36V/48Vの「Extended Power Range(EPR)」が追加され、最大240Wまで拡張されました。737が対応しているのは、このうちの「28V/5A=140W」のプロファイルです。そのため、PD 3.1対応ノートPCと組み合わせたときにのみフルスピードの充電が行えます。
一方で、多くの一般的なノートPC(60〜100Wクラス)はそこまで大きな電力を要求しないため、「140Wをすべて使い切る」というより、「余裕のある電源として使う」というイメージです。この“余裕”が、CPUやGPUをフルに回す高負荷作業中でも、バッテリー残量の減りを抑えてくれるポイントになっていました。
容量24,000mAhと実際の「実効容量」
公称24,000mAhに対して、変換ロスなどを踏まえた実効容量は約15,000〜16,000mAh程度(モデルや測定条件によって前後)とされています。目安としては、
- MacBook Air:約1.5回前後
- 16インチMacBook Pro:約0.6〜1回
- スマホ:3〜6回程度
の充電が可能です。1日フル稼働のリモートワークであれば、電源補助として十分頼れる容量です。
第三者による検証では、24,000mAh表記に対して実効容量は約15,962mAhとされており、ロス率はおよそ33%です。同クラスの競合製品(27,000mAhで実効約13,966mAh=ロス約48%)と比べても、効率は高い部類に入ります。
数字だけ見ると「24,000mAhなのに実際は1.6万mAhしか使えないの?」と感じるかもしれませんが、モバイルバッテリーは内部セル電圧(約3.6〜3.7V)からUSB‑Cの20V/28Vまで昇圧するため、この程度のロスはむしろ優秀な方です。
14インチクラスのMacBook Proならフル充電相当をまかなえる実力があり、「ノートPCを1日延命できるバッテリー」としては十分以上の容量だと感じました。
シーン別レビュー:実際に旅に持っていって検証
出張1泊2日(ノートPC作業あり)
持ち物はノートPC、スマホ、イヤホン。ホテルではAnker 737でノートPCを一晩でほぼ満充電にでき、朝の移動中にスマホをフル充電してもまだ余裕がありました。コンセントが1つしかない状況でも困りませんでした。
このとき便利だったのが、「AC充電器 → 737 → ノートPC」という“だるま落とし”のような構成です。ホテルのコンセントに140W級AC充電器を1つ挿し、まず737本体を高速充電。そのままノートPCにも給電しておくと、夜のうちに
- ノートPC:ほぼ100%
- 737本体:ほぼ満充電
という状態まで持っていけます。チェックアウト後はコンセントがなくても、移動中に737からスマホやイヤホンをどんどん充電できるので、「充電の順番待ち」という概念がほぼ消えました。
海外旅行3泊4日(コンセント事情が読めない環境)
変換プラグとAnker 737だけで、ほとんどの場面をカバーできました。空港やカフェでの短時間の一時充電も素早くこなせますし、ホテルのコンセントが少ないときは特に安心感があります。
海外では「コンセントが1口しかない」「差し込みがゆるい」「電圧や品質が不安」といった問題が起きがちですが、737なら「使えるタイミングで一気に140W級で本体を充電し、足りない分は移動中にバッテリーから補う」という運用ができます。
USB‑C PD対応機器ならOSやメーカーを問わずほぼ何でも充電できるので、同行者のスマホやタブレットまでまとめて面倒を見る“移動式給電ステーション”としても活躍しました。
カフェ作業・コワーキングでのノマドワーク
電源の取り合いから解放され、自席に縛られず作業できる自由度が大きく高まりました。高出力を必要とする作業でも、バッテリー駆動のままで十分対応できます。
特に16インチクラスのノートPCは、高負荷時に内蔵バッテリーだけだとみるみる残量が減っていきますが、737をつないでおくと、実質的に「外付けACアダプタ」のように振る舞い、出力に頭打ちのない状態に近づけられます。
スマートディスプレイで消費W数を確認しながら、「この負荷ならあと何時間はいける」と見当をつけられるので、打ち合わせの合間にどれだけ作業を詰め込めるかといった計画も立てやすく、ノマドワークのストレスをかなり軽減できました。
まとめ:ノートPCを本気で持ち出す人向けの「持ち歩けるACアダプタ」
ノートPCもスマホもタブレットも、これ1台を中心に据えておけば、出張や旅行先で「どの充電器を持っていくか」「コンセントが足りるか」といった細かい心配がぐっと減りました。140W対応のUSB‑C PD 3.1と24,000mAhという余裕のあるスペックに加えて、実効容量の高さやスマートディスプレイの見やすさもあって、「持ち歩けるACアダプタ兼バッテリー」という感覚で扱えます。
もちろん、小型のモバイルバッテリーと比べれば重量もサイズもそれなりにありますし、16インチ級ノートPCをガンガン使う人でなければオーバースペックに感じる場面もあるはずです。
ただ、ノートPCを本気で持ち出して作業する機会が多いなら、737をベースに
- ホテル用の140WクラスAC充電器
- 短めの高出力USB‑Cケーブル
- 海外用の変換プラグ
というシンプルなセットにまとめるだけで、かなり身軽に動けるモバイル環境を作れます。
