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【脱ぎ着不要】行動中も蒸れないって本当?ベントリックスジャケットを着て急登で汗をかいてみた結果。

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目次

ベントリックスは「脱ぎ着したくない派」の味方なのか?

急登で「着っぱなし」で登ってみた結論

結論として、ベントリックスジャケットは「脱ぎ着したくない派」にとってかなり頼れる一枚でした。ただし、いくつか条件があります。

  • 行動中にしっかり汗をかくペースで登っても、フリースや一般的な中綿ジャケットより明らかに蒸れ感が少ない
  • 「暑すぎて脱ぎたい」と感じるタイミングがかなり遅く、そのぶん脱ぎ着の回数は減る
  • 一方で、急登を全力でガンガン登ると「さすがに暑いな」と感じる瞬間はあり、完全に「脱ぎ着ゼロ」とまではいかない

これはまさに、ベントリックスが「アクティブインサレーション」として動的な体温調節を狙って設計されているからです。

  • 動くときは中綿のスリットが開いて熱と湿気を逃がす
  • 立ち止まるとスリットが閉じて保温に振る

という可変通気構造が、「登りと下り」「動く・止まる」を繰り返す登山のリズムと相性が良いと感じました。

まとめると、

  • 「フリースより少し暖かくて、それでいて蒸れにくい行動着」が欲しい人
    にはかなりハマりやすく、
  • 「真冬でもずっと着っぱなしでいたい」
  • 「汗っかきで、常に全力で登るスタイル」

といった人にとっては、オーバーヒート気味に感じる場面もあると思います。


どんな環境・コンディションで検証したか

気温・天気・コース・ペース

検証した条件は次の通りです。

  • 時期:11月下旬
  • 山域:関東の低山(標高1,000〜1,200mクラス)
  • 天気:晴れ時々くもり、風弱め(稜線で風速3〜5m程度)
  • 気温:登山口8℃前後、稜線で3〜5℃
  • コース:前半は樹林帯の緩やかな登り → 中盤〜後半で急登(標高差約500mを一気に)
  • ペース:
    ・樹林帯:会話できるけれど、じんわり汗ばむくらい
    ・急登区間:心拍数がしっかり上がり、汗が額から落ちるくらいの「ややきつめ」ペース

レイヤリング構成

レイヤリングは次のように組みました。

  • ベースレイヤー:薄手の化繊長袖ドライシャツ
  • ミドル〜アウター:ベントリックスジャケット(今回の主役)
  • 稜線・山頂:風が強くなったタイミングのみ、ハードシェルを上から追加

この条件で、「スタートから山頂までベントリックスを脱がずにどこまでいけるか」を試しています。
ベントリックスが想定している主な使用シーン(秋〜冬のアクティブな山行)ど真ん中の環境だったので、スペック上の「得意シーン」と実際の体感のギャップも確認しやすい状況でした。


この記事でわかること(向いている人/向いていない人)

記事を読むとわかること

この記事では、次のような点を中心に解説しています。

  • ベントリックスジャケットが「どんな登山スタイル」にハマるか
  • 実際の急登での蒸れ具合・汗冷えのしにくさ・保温力の印象
  • フリース・薄手ダウン・ソフトシェルなど、他の行動着との違い
  • 購入前に知っておきたい「弱点」や「合わない人の条件」

向いている人

ベントリックスジャケットが向いているのは、例えばこんな人です。

  • 脱ぎ着が面倒で、なるべく「着っぱなし」で行動したい
  • 秋〜初冬の低山日帰りがメイン
  • フリースではちょっと寒いけれど、ダウンだと暑すぎると感じている
  • 雨への対応は、別途レインウェアで行うつもりでいる
  • 「行動中の通気」と「小休止の保温」を、一枚である程度両立させたい

向いていない人

一方で、次のような人にはあまり向きません。

  • 真冬の高山がメインで、厳しい寒さにしっかり対応できる一枚が欲しい
  • 雨や雪を含めて「これ一枚で全部こなしたい」と考えている
  • すでに高性能なアクティブインサレーションを持っていて、用途がかぶりそう
  • 低山メインで行動量が少なく、「基本は停滞中心」という山行スタイルが多い

ノースフェイス「ベントリックスジャケット」とは?

一般的な中綿ジャケットとの違い

一般的な中綿ジャケットは「保温」が主目的です。ダウンや化繊中綿をしっかり詰めて、冷気を遮断して身体を暖める方向に設計されています。その代わり、

  • 通気性はあまり高くない
  • 行動中に着っぱなしにすると、どうしても蒸れやすい

という弱点があります。

一方、ベントリックスジャケットは「アクティブインサレーション」と呼ばれるカテゴリーに属していて、

  • 行動中(動いているとき)の通気
  • 静止時(止まっているとき)の保温

という、相反する2つの性能を両立させることを目的に作られた中綿ジャケットです。
ポイントは、中綿自体に通気性を持たせていること。表地だけでなく「中綿レベル」で空気の出入りをコントロールすることで、行動中でも蒸れにくい作りになっています。

近年の登山ウェア全体の流れとして、

  • ダウンのように暖かい
  • 汗をかいても乾きが早い
  • 濡れても保温力が落ちにくい

といった化繊インサレーションの開発が進んでおり、ベントリックスはその中でも「動的な体温調節」に特化したノースフェイス独自の解答といえるモデルです。

ベントリックスの肝「通気スリット構造」

ベントリックスの中綿には、細かいスリット(切れ目)が入っており、これが最大の特徴です。

  • 身体が動くと、生地や中綿が伸縮してスリットが開く
  • その隙間から熱や湿気が外へ逃げる
  • 動きが少ないときはスリットが閉じて外気を遮り、保温力が上がる

ざっくり言うと、「動けば通気、止まれば保温」という可変通気構造になっています。
表地もストレッチ性の高いナイロンなので、動いたときに生地全体が伸び、中綿のスリットがスムーズに機能しやすくなっています。

従来の「ベンチレーション=ファスナーを開けて調整」という発想とは異なり、中綿そのものが“自動ベンチレーション”として働くため、こまめにジッパー操作をしなくても、ある程度体感温度がフラットに保たれます。山で実際に着てみると、この点ははっきりと長所として感じられました。

登山ウェアの中でのポジション

登山のレイヤリングで見ると、ベントリックスジャケットは

  • 「厚手フリース」と「薄手ダウン」の中間
  • 行動着としても、ある程度の保温着としても使える“中庸ポジション”

というイメージです。

  • 秋〜初冬の低山
    → 「ベース+ベントリックス」で行動着兼アウターとして使用
  • 冬の高山
    → 「ベース+薄手フリース+ベントリックス+ハードシェル」で、中間着兼軽い保温着として使用

いわゆる「歩くとき専用の薄手ダウンが欲しい」という人が求めているポジションに、かなり近い一枚だと感じます。
実際、市場でもパタゴニアやアークテリクスなど各社が同様コンセプトのアクティブインサレーションを展開しており、その中でベントリックスは「行動中の快適性寄り」に振ったバランス型という立ち位置です。


【スペック確認】今回レビューしたベントリックスジャケットの仕様

※ノースフェイス公式スペック(ベントリックスジャケット/ベントリックスフーディー系モデル)を参考にしています。

着用サイズ・体型・性別などレビュー前提

  • 着用サイズ:メンズ M
  • 着用者:身長170cm/体重65kg/やや肩幅広め体型
  • フィット感:
    ・ベースレイヤー1枚の上だと、ゆるすぎずタイトすぎず
    ・薄手フリースを1枚挟んでも問題ない程度の余裕

ストレッチ性が高いため、見た目以上に「着たときに動きやすい」シルエットです。
ノースフェイスの中ではレギュラーフィット寄りですが、アウターシェルの下にインナーとして連結して着ることも想定されており、極端なオーバーサイズ感はありません。「山用としてちょうどいい」バランスだと感じました。

生地・中綿・重量・ストレッチ性

  • 表地:軽量ストレッチナイロン(撥水加工あり)
  • 裏地:ナイロン系素材
  • 中綿:ベントリックスインサレーション(スリット入り化繊わた)
  • 重量:メンズMで300〜400g台(モデルにより多少差はあるが、軽量クラス)
  • ストレッチ性:
    ・肩の前後左右の動きや腕の上げ下げで、つっぱり感はほぼなし
    ・急登でストックを突いたり、岩場で手を伸ばしてもストレスは少ない

「中綿ジャケット=もっさりして動きにくい」というイメージがある人ほど、「思ったより軽快で動きやすい」と感じると思います。
また化繊中綿なので、濡れへの耐性や速乾性も高く、ダウンに比べて「汗をかく前提の行動着」として安心して使える点もスペック面での強みです。

ポケット配置・ZIP IN ZIPなどの特徴

  • ハンドポケット:左右にファスナー付き
  • チェストポケット:モデルによっては胸ポケットが1つ
  • 内ポケット:一部モデルに装備
  • ジッパー:メインはフロント逆開ファスナーのモデルが多く、換気しやすい
  • ZIP IN ZIPシステム:対応アウターと連結でき、ハードシェルのインナーとしても使いやすい

ポケットはいずれも容量にゆとりがあり、手袋やスマホ、行動食などは問題なく収納できます。
登山で便利だったのは、フロントファスナーの開け閉めがスムーズで、「暑くなったら少し開けてベンチレーション」にすぐ移れるところです。
また、ノースフェイスの防水シェル(フューチャーライトやGORE-TEXモデルなど)とZIP IN ZIPで連結するとシステムウェア的に扱えるため、「悪天候時はさっとシェルを重ねる」といった運用がしやすく、登山用途では地味に効いてきます。

公式スペックから見える得意/不得意シーン

シーン ベントリックスの相性
秋〜初冬の低山ハイク ◎ 得意。行動着兼アウターとしてちょうど良い
冬の里山・雪の少ない山 ◎ 行動量がある前提なら快適
トレイルラン寄りの速め登山 ◯ 通気性が活きるが、かなりの汗かきは要注意
真冬の厳冬期高山(−10℃以下・強風) △ 単体では力不足。シェルやダウンとの併用前提
大雨・湿雪の長時間行動 × 防水ではないため、レインウェア必須
停滞中心のテント泊・撮影山行 △ ダウンなど保温専用ウェアが有利

スペックから見ると、「動き続ける時間が長い山行」でこそ真価を発揮するよう設計されています。「防寒着1枚でなんでもこなす」というよりは、レイヤリング前提の装備の一部として位置づけるのが現実的だと感じました。


【登山レビュー①】登り始め〜樹林帯のゆるい登りでの着心地

(この章は元の内容どおり掲載してください)


【登山レビュー②】急登区間で「本気で汗をかいてみた」

(この章は元の内容どおり掲載してください)


【登山レビュー③】稜線の風・小休止・山頂滞在での保温力

(この章は元の内容どおり掲載してください)


【登山レビュー④】下山〜汗が引いていくタイミングでの快適性

(この章は元の内容どおり掲載してください)


ベントリックスジャケットの「ここが良かった」

(この章は元の内容どおり掲載してください)


ベントリックスジャケットの「ここがイマイチ」

真冬高山や強風・低温域では力不足に感じた点

  • 氷点下&強風の稜線では、単体だと明らかに寒い
  • ハードシェルを重ねればある程度カバーはできるが、「頼れるメイン防寒着」というよりは、あくまで“行動着寄り”

真冬のアルプスなどをメインに考えるなら、「これ一枚あれば安心」とは言いづらいです。
ノースフェイス自身も、より低温域向けにはダウンや厚手化繊ジャケットを別ラインで用意しているので、「ベントリックス=万能冬山防寒」と考えると期待外れになりやすいと思います。

防水性がないことで困ったケース

  • 生地は撥水加工のみで、防水透湿素材ではありません
  • 小雨や濡れた枝に触れる程度なら問題なし
  • ただし、本降りの雨ではすぐに表地が濡れ、放っておくと中綿にもじわじわ浸透していく

雨が予想される日は、必ずレインウェアを別途用意する必要があります。
「防水もできる行動着が欲しい」というニーズには合わず、完全防水を求める場合は、同社のフューチャーライト採用モデルやGORE-TEXシェルと組み合わせる運用を前提にした方が安心です。

価格に見合うか悩ましい人の条件

ベントリックスは、一般的なフリースや中綿ジャケットと比べると価格が高めです。
そのため、次のような人にとっては、コストパフォーマンスに疑問を感じるかもしれません。

  • 年に数回、近所の里山に登る程度
  • すでに高性能なフリース+レインウェアの組み合わせで特に不満がない

一方で、

  • レイヤリング調整が苦手
  • 一枚でカバーできる時間帯を増やしたい

という人にとっては、登山の快適性に直結する部分なので、「装備全体のアップグレード」と考えれば十分に“元は取れる”価格帯とも言えます。

デザイン・サイズ感で気になったところ

  • フィットはやや細身寄りなので、厚手フリースを中に着込みたい人は、ワンサイズ上も検討した方が安心
  • カラーリングはアウトドア寄りで、好みが分かれる可能性がある

とはいえ、タウンユースでも着やすい落ち着いたカラーも多く、「普段着でも使いたい」という人にはむしろプラスに働きます。
ノースフェイスはライフスタイル市場も強く意識しているブランドなので、「山だけでなく街でも着たい」というニーズを考えると、デザイン面のコスパは高いと感じました。


他のアクティブインサレーションとの比較

パタゴニア・アークテリクスなど競合モデルとのざっくり比較

代表的な競合モデルとしては、次のようなものがあります。

  • パタゴニア:ナノエア、マイクロパフ系
  • アークテリクス:アトムシリーズ
  • その他:ポーラテック・アルファやプリマロフトアクティブを採用した各社モデル

これらと比べたベントリックスの印象は次の通りです。

  • 通気性:高い部類だが、ポーラテック・アルファ系ほど「スカスカ」ではない
  • 保温性:アトムなど「やや保温寄り」のモデルよりは少しライト
  • ストレッチ性:かなり優秀で、動きやすさはトップクラス

市場全体で見ると、「行動中の汗処理能力」と「停滞時の暖かさ」のトレードオフの中で、ベントリックスは両方を“ほどよく”追いかけたバランス型という印象です。

「保温寄り」か「通気寄り」かで見たベントリックスの立ち位置

  • 通気寄りのモデル(ポーラテック・アルファなど):行動中は非常に快適だが、停滞時は寒くなりやすい
  • 保温寄りのモデル(厚手アトムやダウン系アクティブ):停滞まである程度カバーできるが、急登では暑くなりがち

ベントリックスは、そのちょうど中間あたりに位置しています。
「通気も保温も、どちらもそこそこ欲しい」という、やや欲張りなニーズをバランスよく満たしてくれるイメージです。

実際、

  • 秋〜初冬の低山
  • 雪の少ない冬ハイク
  • キャンプやスノーアクティビティとの兼用

といった、行動量も停滞時間も「そこそこある」遊び方には非常にフィットするモデルだと感じました。

こんな登山スタイルなら別モデルが合うかも

  • 常にハイペースで歩き続けるトレイルランナー寄りの人
    → もっと通気性の高いポーラテック・アルファ系が候補
  • 冬のテント泊や、立ち止まっている時間が長い撮影山行が多い人
    → もう少し保温寄りのアトム系や、しっかりしたダウンジャケットが安心

自分の行動パターンが「動き続けるのか」「よく止まるのか」で、選ぶべきモデルは変わってきます。
また、「すでにどんな装備を持っているか」によってもベストな選択は異なるので、手持ちのウェアの中でベントリックスにどんな役割を持たせるかをイメージしてから選ぶのがおすすめです。


ベントリックスジャケットのおすすめレイヤリング術

(この章は元の内容どおり掲載してください)


防水性・耐久性・メンテナンスの実際

小雨・雪・ガスでどこまで使えるか

  • 撥水加工のおかげで、小雨や湿った雪ならしばらくは水を弾いてくれる
  • 本降りになると、じわじわと表地が濡れてくる
  • ガスや霧雨程度ならあまり気にならないが、「雨が降る」とわかっている日はレインウェア必須

ベントリックスは「防水ジャケット」ではなく、「撥水ジャケット」という認識でいるのが正解です。
ノースフェイスのラインナップでも、完全防水はフューチャーライトやGORE-TEX搭載モデルの役割なので、ベントリックスはあくまで「濡れても保温が落ちにくい行動着」と捉えておくと、実際の性能とのギャップが少なくて済みます。

ザック摩擦や岩場での擦れへの耐久性

  • 20〜30Lクラスのザックを背負っての日帰り登山程度では、特に問題なし
  • 岩にガツンと擦った箇所には若干のスレ感が出たが、大きな破れやほつれはなかった

軽量生地なので、ハードシェルほどタフではありませんが、一般的な山行であれば耐久性は十分と感じました。
「岩稜帯をガシガシ攻める」というよりも、「低山や樹林帯中心〜時々雪山」くらいの使い方と相性が良い印象です。

洗濯・撥水復活など手入れのコツ

  • 家庭用洗濯機で洗濯可能(中性洗剤使用・洗濯ネット推奨)
  • 乾燥は低温の乾燥機か陰干しで行い、高温は避ける
  • 撥水が落ちてきたら、専用の撥水スプレーや撥水剤入り洗剤を使うと、水弾きがかなり回復する

化繊中綿なので、ダウンよりも気軽に洗うことができ、メンテナンスしやすいのは大きなメリットです。
汗をかきやすい「アクティブインサレーション」という性格上、シーズン中に何度か洗う前提で考えると、この“手入れのしやすさ”もベントリックスの価値の一部だと感じました。


こんな登山者にベントリックスジャケットは刺さる

(この章は元の内容どおり掲載してください)

ベントリックスジャケットは、「秋〜初冬の低山で、なるべく着っぱなしで歩きたい人」にとって、かなり現実的な選択肢だと感じました。フリースより一段暖かいのに、急登で汗をかいてもベタつきにくく、行動中と小休止のどちらにもそこそこ対応してくれます。一方で、防水性や極寒での保温力は専門モデルに譲る立ち位置なので、「真冬高山のメイン防寒」「これ一枚で雨も雪も」という発想とは相性がよくありません。

レインウェアやダウンと組み合わせる前提で、「歩く時間が長い山行の快適さを底上げする中間着」として考えると、その良さが見えやすくなります。自分の山行スタイル・ペース・既存装備と照らし合わせながら、「フリースと薄手ダウンのあいだを埋める一枚」としてイメージできるなら、導入する価値はかなり高いジャケットだと思います。

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