登山後半の「シャリバテ」をどうにかしたい人へ
登山の後半で急に足が重くなり、頭がぼんやりしてペースがガクッと落ちる──いわゆる「シャリバテ」に悩まされていないでしょうか。エナジージェルや羊羹をいくつも持ち歩きつつ、「コスパも荷物もそろそろ限界だな…」と感じている人も多いはずです。
そこで今回取り上げるのが、トレーニー界隈ではすでにおなじみの「リミテスト マルトデキストリン」。ほぼ無味の粉末なのに、登山中のエネルギー源としてじわじわ存在感を増しています。
この記事では、実際の山行でリミテストのマルトデキストリンを試した率直なレビューをお届けします。どんな味なのか、どれくらいシャリバテを抑えられたのか、エナジージェルや羊羹との使い分けまで、登山目線で細かくまとめました。
「飲むだけでカロリーを稼げる行動食」に興味がある方は、山に持って行く前のイメトレとして読んでみてください。
シャリバテ防止の最終兵器「マルトデキストリン」とは?
マルトデキストリンってなに?
マルトデキストリンは、デンプンを酵素で分解して作られる「ほぼ味のしない炭水化物」です。構造としてはブドウ糖がいくつもつながった多糖類ですが、体の中に入るとすぐに分解されてエネルギーとして使われます。
イメージとしては、
- 砂糖:甘くてすぐエネルギーになる
- マルトデキストリン:ほぼ無味だけど、しっかりエネルギーになる
といった感じです。
スポーツの世界では昔から使われていて、エナジージェルや粉末ドリンクの原料としてよく配合されています。特にマラソンやトレイルランなど、長時間の持久系スポーツにおいて「消化吸収が速い炭水化物」として定番になっています。[1]
単体で売られているマルトデキストリンは、無味に近く水にも溶けやすいので、「好きな飲み物にエネルギーだけ足せる粉」という感覚で使えます。砂糖のような強い甘さがないため、味を邪魔せずに必要なカロリーだけ追加できるのが大きな特徴です。
なぜ「味のしない炭水化物」が登山で役に立つのか
登山中のエネルギー切れ=シャリバテは、多くの人が一度は経験しているのではないでしょうか。頭がぼーっとして足が前に出ない、妙にイライラする、ペースがガタッと落ちる…あの嫌な状態です。
マルトデキストリンが登山で役立つポイントは次のとおりです。
-
消化・吸収が速い炭水化物
デンプン由来ですが、体内ではすぐグルコース(ブドウ糖)として利用されるため、血糖値を効率よく上げてエネルギー切れを防ぎやすいです。[1]
胃腸への負担が比較的少なく、「食欲がないけどエネルギーは入れたい」場面でも使いやすいです。 -
ほぼ無味でどんな味にもなじむ
水、スポーツドリンク、お茶など、自分の好きなドリンクに混ぜられます。はちみつやレモン、生姜パウダーなどと組み合わせて、自分好みの機能性ドリンクにもしやすいです。[1] -
液体に溶かして摂れる
行動食をかじる余裕がない急登や寒い時でも、飲むだけでエネルギー補給ができます。口や喉が乾いて固形物が入りにくい時でも、「水分+カロリー」を同時に入れられるのが強みです。 -
甘さを自分でコントロールできる
甘いものに飽きやすい人でも、濃さや味を調整しやすいです。エナジージェルのように「最後は甘さがつらい」という事態をある程度避けられます。
シャリバテ対策の基本は「ちょこちょこ炭水化物を入れ続ける」ことですが、休憩のたびに固形物を食べるのが面倒だったり、食欲が落ちたりすることも多いです。そこで「飲むだけで炭水化物を補給できる」マルトデキストリン入りドリンクは、シャリバテ防止のバックアップとして相性が良いと感じます。
登山者のあいだで注目されている理由
最近は、登山系のブログやSNS、トレラン界隈などでマルトデキストリンがよく話題に上がるようになってきました。注目されている理由は次のような点です。
- UL(ウルトラライト)系ハイカーが、自作エナジージェルやドリンクに使っている
マルトデキストリン+はちみつ+生姜パウダー+クエン酸…といった自作ジェルレシピが共有されています。[1] - 既製品のエナジージェルより圧倒的に安い
1回あたりのカロリー単価で見ると、市販ジェルの何分の一というレベルです。 - 味の自由度が高く、自分好みの「飲める行動食」を作れる
甘さ控えめ・柑橘系・生姜系など、長時間でも飲み続けられる味を作りやすいです。 - 粉をまとめて持っていけば、山小屋や水場で補充しやすい
粉と水さえあれば、どこでもエネルギードリンクを再現できます。
特に、ハードな縦走やロングトレイルを歩く人ほど、「安くて軽くて効くエネルギー源」として採用している印象があります。その中で「リミテスト」のマルトデキストリンも、登山や筋トレ勢に使われている製品の一つです。[2]
リミテストのマルトデキストリンを選んだ理由
「リミテスト」に目をつけたポイント
マルトデキストリン自体はさまざまなメーカーから出ていますが、私がリミテストを選んだ理由は次の3つです。
1. スポーツ用途に振り切ったブランド
リミテストはトレーニー向けのサプリやプロテインを出しているブランドで、「運動中のエネルギー源」として想定されたマルトデキストリンという点に安心感がありました。登山・トレランはもちろん、筋トレや持久系スポーツでも使われており、「汗をかく現場での使用」が前提になっているのが心強いところです。
2. シンプルな原材料表示
いわゆる「余計なものが入っていない」タイプです。香料や甘味料が入っていないので、登山用に自分の好きな味付けがしやすいと思いました。はちみつ、レモン汁、生姜パウダー、クエン酸などと組み合わせて、自作エナジードリンクや自作ジェルのベースとしても使いやすいです。[1]
3. 大容量でコスパが良いという評判
ネットショップの説明やレビューを見ると、コスパの良さを推している声が多く、「エナジージェルをまとめて買うより圧倒的に安い」という意見が目立ちました。[2] 毎週のように山へ行く人や、トレーニングと登山の両方でたっぷり使いたい人には、この「大容量&低単価」はかなり魅力的です。
成分と特徴の概要
リミテストのマルトデキストリンの基本的な特徴は次のとおりです。
- 主成分:マルトデキストリン(デンプン由来の炭水化物)
- 味:ほぼ無味(ほんのり甘さを感じる程度)
- 形状:細かい粉末で水に溶けやすい
- 用途:トレーニング中・登山中などのエネルギー補給向け
一般的なマルトデキストリンと同様、たんぱく質や脂質、ビタミンはほとんど含まれておらず、「純粋な炭水化物のかたまり」と考えて問題ありません。
そのぶん、
- 電解質(ナトリウム・カリウムなど)
- ビタミンB群
- 塩分
といった成分は別で補う必要があります。スポーツ栄養的にも、炭水化物単体より「電解質+ビタミンB群(エネルギー代謝を助ける)」を組み合わせた方が、長時間運動には適しています。[1]
私は、マルトデキストリンはあくまで「シャリバテ防止の芯となるエネルギー源」と割り切って使うことにしました。エネルギーのベースはこれで確保しつつ、ミネラルやビタミンはスポーツドリンクパウダーや塩タブレット、普段の食事でカバーするイメージです。
コスパ・容量・使い勝手の第一印象
実際に届いて開封したときの印象は次のとおりです。
- 袋が大きく、家で保管する前提のサイズ
- 粉はかなりサラサラで、軽く舞うので少し注意が必要
- 付属スプーンの容量が大きめで、ざっくり量りやすい
コスパについては、「1回の山行で30〜50g使う」と仮定すると、1袋でかなりの回数分まかなえます。既製のエナジージェル1つ200〜300円と比べると、1回あたりのエネルギー補給コストはかなり下がる印象です。トレーニング前後の補給や、日常のスポーツドリンク代わりにも使えば、1袋を余すことなく活用できます。[2]
使い勝手で気になったのは、
- 粉がとても細かく、雑に扱うと舞いやすい
- ジップ袋の開け閉めを丁寧にしないと、少しこぼれそう
という点です。自宅でボトルやジップ袋に小分けしておくのが前提だと思います。その分、山では「小分けパックを水に入れて振るだけ」で済むので、行動中の手間はかなり少なくなります。
実際に登山で試した条件
山行プロフィール(コース・標高・歩行時間)
テストした山行の条件は次のとおりです。
- エリア:関東近郊の標高1,800mクラスの山
- 累積標高差:約1,100m
- 歩行時間:休憩込みで約7時間
- 天候:晴れのち曇り/気温:スタート時約10℃、山頂付近で約5℃
急登の区間がいくつかあり、普段なら後半で脚が重くなって「もう一息」がしんどくなることが多いコースです。シャリバテが出やすい「冷え+長時間行動」の条件だったので、マルトデキストリンのテストにはちょうど良いシチュエーションでした。
普段の補給スタイルと課題
普段の補給スタイルは次のような形でした。
- 出発前におにぎりまたはパンをしっかり食べる
- 歩き始めてからは、1〜1.5時間おきに羊羹、ナッツ&ドライフルーツ、チョコレートを少しずつつまむ
- 水は1時間に200〜300mlほど
このスタイルでも調子の良い日は問題ありませんが、
- ペースが速い日
- 寒くて消耗が大きい日
- 朝食が軽めだった日
には、後半でシャリバテの気配がはっきり出てきます。特に「頭がぼんやりして、行動食を食べるのも面倒になる」状態がよくありました。スポーツ栄養的にも、「お腹が空いたと自覚してから食べる」のでは一歩遅いと言われます。[1]
そこで今回の山行では、
- 固形の行動食だけに頼らない
- 「飲んでいるだけでエネルギーを補給し続ける」状態を作る
ことを目標に、リミテストのマルトデキストリンを使ってみることにしました。
当日の装備と補給食リスト
当日に持っていった補給関連は次のとおりです。
- 水:500mlボトル × 2(うち1本をマルトデキストリン用に)
- スポーツドリンクパウダー:1回分
- リミテスト マルトデキストリン:ジップ袋に50g
- 固形の行動食:
羊羹 2本/塩タブレット 数個/ナッツ&ドライフルーツ ミックス小袋/エナジージェル 1つ(保険用)
マルトデキストリンを混ぜるボトルは、やや大きめの飲み口のものを選びました。山の上で粉を入れるときにもこぼれにくいタイプが使いやすいです。UL界隈でよくある「OKスパウト付きのソフトフラスク」に自作ジェルを入れて持つスタイルとも相性が良く、応用範囲は広いと感じました。[1]
具体的な使い方:登山中の摂り方と分量
ドリンクへの混ぜ方と分量の目安
今回の配合は次のようにしました。
| 内容 | 分量(500mlボトルあたり) |
|---|---|
| マルトデキストリン | 約25g(付属スプーンすりきり1杯弱/約100kcal前後) |
| スポーツドリンクパウダー | 規定量の半分 |
この分量にした理由は、
- 25gで約100kcal前後になるため、山行全体で2本飲めば約200kcalの「飲む行動食」になる
- スポーツドリンクパウダーを半量にして、甘さを控えめにしたかった
- 市販ジェル1本(100〜120kcal)を、少しずつ水で割って飲んでいるイメージに近づけたかった
粉自体は水にスッと溶けてダマになりにくく、シェイクすれば問題なく使えました。ただし冷たい水だとわずかに溶け残りを感じることがあるので、よく振るのがポイントです。濃度を上げるほどわずかにとろみが出るので、最初は薄めから始めて、自分の好みと胃腸の具合を見ながら微調整するのがおすすめです。
登山中の摂取タイミング
当日の流れは次のとおりです。
-
出発前
朝食を普段どおりとりつつ、マルトデキストリンドリンクを100mlだけ試し飲み。胃もたれなどは特にありませんでした。 -
登り始め〜2時間まで
普通の水ボトルをメインに飲み、マルトデキストリンドリンクは喉が渇いたタイミングで一口ずつ。ここでは「ガブ飲みせず、じわじわ使う」イメージです。 -
2時間〜山頂到着まで
ペースをやや上げた区間で、マルトデキストリンドリンクを意識的に増やしました。20〜30分おきに2〜3口ずつ飲む程度で、固形の行動食は羊羹を1本だけ。 -
下山開始〜ゴールまで
下りに入ってからも脚の疲れを軽減したい狙いで、残っていたマルトデキストリンドリンクをこまめに消費。最後の1時間は、ほぼこのドリンクだけで過ごしました。
結果として、マルトデキストリン入りの500mlボトルを1本半ほど消費し、山行全体で約150〜180kcal分をドリンクから補給した計算になります。「飲み物だけでこれだけカロリーを稼げる」と考えると、シャリバテ防止のセーフティネットとしてかなり優秀に感じました。
味・飲みやすさの感想
味は「控えめなスポーツドリンク」といった印象でした。
- 甘さ:一般的なスポーツドリンクの7割くらい
- マルトデキストリン自体の味:ほぼ感じない
- 飲み口:若干とろみを感じるが、気になるほどではない
登山中、甘いものに飽きやすい自分でも、最後まで「うっ」とならずに飲めるレベルでした。個人的にはこの「やや薄め〜普通」くらいの濃さがちょうど良かったです。生姜パウダーやレモン果汁を少し足すと、さらにさっぱりして冬場の体温維持にも役立ちそうだと感じました。[1]
登ってみて感じた効果と変化
シャリバテ防止の体感
一番わかりやすかったのは、後半の「ガクッとした失速」がなかったことです。
同じコースを歩いた過去の印象では、
- 山頂直下の急登でかなりヘロヘロになる
- 下山の中盤で集中力が途切れがち
というのが定番パターンでした。今回は「きついのはきついけれど、まだ踏ん張れる」という感覚が続きました。
具体的には、
- 最後の急登で「一歩ずつ丁寧に登れる」余裕があった
- 山頂到着時に「今日はまだ余力があるな」と感じた
という点が印象的でした。
睡眠や気温などのコンディションも影響しているので、100%マルトデキストリンのおかげとは断言できませんが、「シャリバテ手前の嫌な感じ」がふわっと来る前に、じわじわエネルギーが補給されていたような感覚があります。スポーツ栄養のセオリーどおり、「細く長く炭水化物を入れ続ける」形になったのが良かったのだと思います。[1]
疲労感・集中力・脚の持ち具合
-
疲労感
脚がパンパンで動かない感じは普通にありましたが、呼吸や頭のクリアさは最後まで保てていた印象です。 -
集中力
岩場の下りやザレた斜面で、ふと気が抜けて足を滑らせることが少なかったです。血糖値の急低下が抑えられていた可能性を感じました。 -
脚の持ち具合
下りでの脚の残り具合は「いつもより一段階上」といった感覚で、劇的なパワーアップではなく「最後まで安定して出力できる」イメージでした。エナジージェルのようなドーピング的なブーストではなく、ベースの燃料が切れにくくなった印象です。
空腹感とメンタルへの影響
個人的にかなり良かったのが、空腹感に振り回されなかったことです。
- 普段:
空腹感が出る → イライラ気味になる → 行動食を食べるのも面倒になる - マルトデキストリン使用時:
「お腹ペコペコでつらい」という状態にならず、なんとなく満たされている感覚が続く
空腹ストレスが減ると景色を楽しむ余裕も生まれ、「あとどれくらいでご飯?」ということばかり考えずに済みます。精神的な余裕も含めて「安全マージンが増えた」感覚がありました。
リミテスト マルトデキストリンの総まとめレビュー
良かった点(メリット)
- シャリバテの予防に心強い
後半のエネルギー切れ感が明らかに軽減しました。 - 味の主張が弱く、好きなドリンクに混ぜやすい
水+スポーツドリンク、紅茶、粉末ポカリなど、何にでも合わせやすいです。自作エナジージェルのベースとしても汎用性があります。[1] - コスパがかなり良い
山用のエナジージェルを毎回2〜3個持っていくより、財布にやさしいです。日常トレーニングにも流用できるので、「山専用に買うともったいない」という感覚も少ないです。[2] - 粉を少量持っていくだけで「飲める行動食」が作れる
山小屋で水を補給して、その場でドリンクを作れるのも強みです。UL的に「軽くてかさばらないエネルギー源」としても優秀だと感じました。
気になった点(デメリット)
- 粉が細かく、扱いに注意が必要
家で小分けにする際、油断すると舞いやすいです。 - 入れすぎるとドロッとして飲みにくい
初回から濃くしすぎると、「うっ」となりがちです。特にお腹が弱い人はいきなり高濃度にしない方が無難です。 - 炭水化物だけなので、電解質やビタミンは別で用意が必要
塩タブレットやスポーツドリンクパウダーと組み合わせる前提になります。「これ1つで全部OK」というオールインワンではない点は理解しておく必要があります。[1]
向いている登山スタイル
次のような人には特に向いていると感じました。
- ロングコース・縦走が多い人
- シャリバテしやすく、「後半にガクッと落ちる」タイプの人
- 甘いジェルが苦手だけど、エネルギー補給はしっかりしたい人
- コスパ重視で、毎週のように山に行く人
一方で、
- 短時間の低山ハイクが中心
- 行動中はあまり飲まないタイプ(水分摂取自体が少ない)
といった人には、必須アイテムとまでは言えないかもしれません。まずは「夏のロングハイク」や「標高差の大きい日帰り」など、シャリバテしやすい山行から導入してみるのが現実的だと思います。
他の補給方法との比較
エナジージェル・羊羹・行動食との違い
それぞれの特徴を整理すると次のとおりです。
| 種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| エナジージェル | 即効性が高く、甘くて濃い | 一気にブーストしたいときに便利 | 味に飽きる/価格高め/ゴミがかさばる |
| 羊羹・お菓子系行動食 | 中〜高の即効性、満足感が高い | 気分転換になる、おいしい | 食欲が落ちるとつらい、かさばる |
| マルトデキストリンドリンク | じわじわ効き、味は控えめ | 飲むだけでエネルギー補給、コスパ◎ | 濃度調整が必要、一気のブースト力は弱い |
私の感覚としては、
「マルトデキストリンはベースの燃料、ジェルや羊羹はブースト用」という使い分けがしっくりきました。ULハイカーが自作ジェルを「メイン燃料」とし、羊羹やお菓子を「ご褒美枠」にしているのと、かなり近いイメージです。[1]
マルトデキストリンドリンクの強み・弱み
-
強み
- 行動中ずっと「薄く効かせ続けられる」
- シャリバテの予防線として優秀
- 好きな味・濃さで自分専用ドリンクが作れる
- 粉だけ持って行けるので、重量効率・コスパともに優秀[2]
-
弱み
- 1回あたりの「パンチ」はジェルに劣る
- 濃くしすぎるとお腹に負担がかかる可能性
- 調合の手間がある(家での準備+山での補給)
組み合わせて相性が良かった補給食
今回試してみて、相性が良かった組み合わせは次のとおりです。
- 控えめなスポーツドリンクパウダー
→ マルトデキストリンの甘さを少しだけ補ってくれます。 - 羊羹
→ 「ちょっと噛みたい」「甘いものが欲しい」タイミングで1本あると満足感が高いです。 - 塩タブレット
→ 電解質を補う意味でもセットにすると安心です。
この3つ+予備としてエナジージェル1個、くらいが自分の中での「安定セット」になりそうです。さらに凝るなら、クエン酸や生姜パウダーを足して「疲労感対策」「冷え対策」を盛り込んだ自作ブレンドにしていくのも面白いと思います。[1]
登山で安全に使うための注意点
飲みすぎ・入れすぎでの失敗例
テスト前に、自宅近くでウォーキングしながら試したとき、調子に乗ってマルトデキストリンを濃いめ(500mlに40g以上)に入れたところ、
- なんとなく胃が重い
- 飲んだ直後に「どっと血糖値が上がる感じ」がして、そのあと眠気
という微妙な状態になりました。
「多ければ多いほど良い」というものではなく、自分の消化能力に合った量をちょこちょこ入れるのが大事だと痛感しました。特に寒い日や体調が万全でないときは胃腸も弱りやすいので、「薄めスタート」はかなり重要です。
お腹が弱い人・血糖値が気になる人の注意ポイント
-
お腹が弱い人
濃度が高い炭水化物ドリンクは、下痢や腹痛の原因になることがあります。まずはかなり薄め(500mlに10〜15gくらい)から試し、様子を見るのがおすすめです。 -
血糖値が気になる人(糖尿病など)
マルトデキストリンは血糖値を上げやすい炭水化物なので、医師の指導を受けている方は必ず事前に相談したほうが安心です。「運動中だから安全」とは言い切れないため、自己判断で大量に使うのは避けたほうが無難です。
初めて使うときのテスト方法
初めて使う場合は、次のようなステップを踏むのがおすすめです。
- いきなり本番のロング縦走で使わない
- 日常のウォーキングや軽いジョグで、少量から試す
- 低山の日帰りハイクで「今日は半分だけマルトデキストリンドリンクを使ってみる」くらいの気持ちで導入する
登山本番で使う前に、「家〜最寄り駅の往復」くらいの軽い運動で、味・濃さ・お腹の具合をチェックしておくと安心感が違います。
これから試す人への使い方ガイド
初心者向けの分量とタイミング
登山で初めて使う場合、無難なスタート案は次のとおりです。
- 500mlの水に
マルトデキストリン:15〜20g
好きなスポーツドリンクパウダー:規定量の半分
これを1本だけ持っていき、
- 登り始めから30〜40分おきに一口ずつ飲む
- 固形の行動食もいつもどおり持っていく(マルトデキストリンだけに頼らない)
といった形から始めると、失敗が少ないと思います。慣れてきたら、行動時間や気温、ペースに応じて「1本あたりの量」「本数」を少しずつ調整していけばOKです。
ロングコース・縦走での応用アイデア
ロングコースや縦走では、次のような使い方が便利です。
- 粉をジップ袋に多めに入れて持っていき、山小屋やテント場で追加のボトルを作る
- マルトデキストリン+電解質パウダーで「自作スポーツドリンク」を量産する
- 朝・昼はご飯やパンでしっかりカロリーをとりつつ、行動中はマルトデキストリンドリンクでシャリバテを防ぐ
ロングコースほど、「食欲が落ちたときに飲めるエネルギー源」があると安心感が全然違います。UL界隈で人気の「自作エナジージェル」を、リミテストのマルトデキストリンで再現するのも一つの手です。[1]
夏山・冬山での配合のコツ
-
夏山
- 発汗が多いので、電解質をしっかり入れる
- 甘すぎると飲みにくいので、やや薄め(500mlに15〜20g)にする
- 塩タブレット+マルトデキストリン+スポーツドリンクパウダー少量、という組み合わせがバランス良好
-
冬山
- 消耗が大きいので、やや濃いめ(500mlに25〜30g)も選択肢に入る
- 生姜パウダーやレモン果汁などを加えて、体を温める工夫も有効[1]
- ただし寒いときは胃腸も弱りやすいので、いきなり濃くしすぎないように注意
季節や山行スタイルに合わせて「自分の定番レシピ」を作っていくと、補給のストレスが一気に減ります。
まとめ:シャリバテ対策として「リミテスト マルトデキストリン」はアリか?
管理人の最終評価
個人的な評価をざっくりまとめると、次のような印象です。
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| シャリバテ防止 | ★★★★★ | 予防線としてかなり頼りになる |
| 飲みやすさ | ★★★★☆ | 味の主張が弱く、長時間でも飽きにくい |
| コスパ | ★★★★★ | エナジージェル主体から切り替えると、かなり節約感あり[2] |
| 手間 | ★★★☆☆ | 準備に少し工夫が必要だが、慣れれば問題なし |
今後もリピートするかどうか
リミテストのマルトデキストリンは、「ロングコースや縦走のときはほぼ必ず持っていくアイテム」になりそうです。
毎回山でフル使用するかは別として、
- 粉だけ少量持っていく
- きつそうなときだけスポーツドリンクに追加する
という使い方ができるので、しばらくはリピート予定です。筋トレやランニングにも使い回せるので、「家でも山でも減っていく消耗品」として常備しておく価値は高いと感じました。[2]
次に試してみたい使い方・組み合わせ案
今後試してみたいのは、次のような使い方です。
- マルトデキストリン+はちみつ+レモン汁で自作エナジードリンク
- 冬山用に、生姜パウダーを少量混ぜて「ほんのりホット風味」にする
- マルトデキストリン+BCAAやクエン酸を加えた「長時間行動用ブレンド」
ULハイカーの自作ジェルレシピを参考にしつつ、自分の胃腸と好みに合う黄金比を探していきたいと思います。[1]
シャリバテで悩んでいる方や、ジェルの甘さがきつくなってきた方には、「まずは1回分だけドリンクに混ぜてみる」価値は十分あると感じました。リミテストのマルトデキストリンは、その入り口として使いやすい選択肢だと思います。
マルトデキストリンは、「ガツンと効く秘密兵器」というより、登山中ずっと足元を支えてくれる燃料係のような存在だと感じました。とくにリミテストの製品は、味の主張が弱く、どんなドリンクにもそっとカロリーを足せるのが魅力です。エナジージェルや羊羹のようなブースト力はないものの、「後半のガクッとした失速が起きにくい」という安心感はかなりのものがありました。
一方で、粉の扱いづらさや、電解質などを別で用意するひと手間もあります。いきなり濃い配合にするより、まずは薄めのレシピで短い山行から試し、自分の胃腸と相性を確かめていくのが現実的です。ロングコースや縦走が増えてきて、「甘さにも荷物にもお財布にもそろそろ限界を感じる…」という人ほど、マルトデキストリン入りドリンクの恩恵を実感しやすいはずです。固形の行動食と上手に組み合わせて、自分なりの「飲める行動食セット」を育てていくと、シャリバテへの不安がかなり和らぎます。